2024年12月16日 New!
「2024年度メール通信No.5」が届きました

日本高次脳機能障害友の会より
「2024年度メール通信No.5」が届きましたので転載します。


全国のみなさま
 
◇理事だより
 「きょうされん第47回全国大会inしが」に参加して

みなさん「きょうされん」という団体をご存知ですか?
「きょうされん」は1977年に障害のある人たちの願いをもとに、16カ所の共同作業所によって結成されました。現在は、就労系事業をはじめ、グループホームや相談支援事業所など、障害のある人が生きていく上で関わるすべての事業を対象としており、約1,860ヵ所の会員(加盟事業所)により構成されています。(きょうされんHPより)
11月8日(金)・9日(土)にきょうされん第47回全国大会が滋賀県草津市で開催され、日本高次脳機能障害友の会は支援団体として招待され、片岡理事長の代理としてナナの会外﨑が参加しましたので、そのご報告をさせていただきます。
 きょうされんの全国大会に参加したのは昨年の埼玉県に引き続き2回目になりますが、今年は特に障害児・者福祉の「発祥の地」とも言える滋賀県で開催されたということで、私自身にとっても学びの機会となりました。
大会では今年の大きな報告が2点あり、その基調報告をされたのはきょうされん常任理事である藤井克徳、JD日本障害者協議会代表でした。1点目は皆様も報道などでご存知かと思いますが、今年7月3日最高裁大法廷において、優生保護法が立法時から憲法違反であったと、国会、そして法を運用した政府を断罪する歴史的な判決を下されたという件。その後の首相等による被害者への直接謝罪、国(政府)と訴訟団の基本合意書の締結、国会による謝罪決議と補償法の成立となった過程など、報道でも知られている内容ではありましたが、藤井代表は常と変わらぬ穏やかな口調、淡々とした言葉でこれまでの経過を報告されていました。しかし、会場にいた多くの方々には藤井代表の万感の思いが伝わっていたのではないでしょうか。わたくし自身も胸に来るものがあり、思わずウルっとしてしまいました。
「優生保護法」は1948年から1996年まで存在していた法律で、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」――病気や障害をもつ子供がうまれてこないようにする――ことを目的とする法律で、日本国憲法の下でこのような障害者差別を助長するような法律がほんの30年ほど前まで実際に存在していたなど、本当に憤りを禁じ得ません。
藤井代表による、きょうされんの基調報告の2点目は、能登半島地震被害の実態とその後の支援活動についてでした。地震後、きょうされんでは安否確認や被害状況の把握に動き出し、救援物資の送付にも取り組んできたとのこと。現在も支援活動にはきょうされんの会員事業所からJDF能登半島地震支援センターに毎週職員が派遣されており、引き続き現地では家の片付けや病院や役所などへの移動支援の希望もあり、今後も長期的な支援を展開する必要があると語られました。また、役員諸氏による複数回に及ぶ現地視察の写真や被災地から参加された人たちの企画なども用意され、全力で能登復興を応援する様子が見られました。
今年は基調報告の後の特別企画Aにも参加しました。これは今年の滋賀での全国大会実行委員長の白石惠理子氏(滋賀大学教授)によるー滋賀が生んだ「発達保障」の歴史とこれからーというタイトルで、糸賀一雄氏の足跡と功績についての話と、そして彼の最後の講演の音声と映像を見せていただくという内容でした。「この子らを世の光に」で有名な糸賀一雄氏のことは、度々初代友の会理事長の東川さんから名前は伺っておりましたが、今回彼の発達研究と滋賀での実践の話を聞くことにより、多くのことを考える機会ともなりました。
また、休憩時間には、日本失語症協議会の園田理事長と席が隣同士だったので、ご挨拶する中で、双方向で共有できることを今後の活動に生かしていければというお話もでき、とても有意義な時間を過ごすことができました。(当日配布された資料から、一部文言を引用させていただいております) 
(NPO法人高次脳機能障害友の会ナナ 会長 外﨑信子)
 
◇お知らせ

○「高次脳機能障害支援をめぐる公開講座第四弾」添付①
 「小児科医として高次脳機能障害をみつづける」
対談:栗原まな(神奈川リハ病院小児科医)×小川喜道(神奈川工科大学名誉教授)
*参加(オンラインまたは対面)の申し込みは、下記のURLまたはQRコードよりお願い致します。 https://forms.office.com/r/dWJj5s45Zh
(対面参加は、先着15名まで。超過した場合はオンラインで視聴をお願いします。 申込者全員にzoomのURLを1月28日頃にご連絡致します。)
主催・お問い合わせ: 神奈川工科大学地域連携・貢献センター(担当:小川)
 
○ 令和6年度第2回高次脳機能障害支援普及全国連絡協議会
主催:国立障害者リハビリテーションセンター
日時:令和7年2月14日(金)10:00~12:00
方法:Web会議方式(Zoom)
対象:高次脳機能障害支援普及全国連絡協議会委員等※その他の方の傍聴申込可。
*傍聴申込について、国立障害者リハビリテーションセンターホームページにて間もなく案内が出ますので確認ください。https://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/event/
 
○ 令和6年度第2回高次脳機能障害支援コーディネーター全国会議
主催:国立障害者リハビリテーションセンター
日時:令和7年2月14日(金)13:00~16:00
方法:Web会議(Zoom)
対象:高次脳機能障害支援拠点機関に所属する支援コーディネーター等※その他の方の傍聴申込可。
*傍聴申込について、国立障害者リハビリテーションセンターホームページにて間もなく案内が出ますので確認ください。 https://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/event/
 
◇家族会紹介「ぷらむ」鹿児島 
             
 12月に入り、南国鹿児島にもやっと例年の寒さが到来しました。
 今年はおかげさまで「設立20周年」を迎えることができ、たくさんの方々に感謝申し上げております。設立前から礎のできる頃の御苦労を熱気溢れる言葉で大先輩から伺っております。会員が増え、活動に賛同される賛助会員も増え、医療・福祉・就労関係のネットワ-クが構築され、私達も生活の幅が徐々に広がって参りました。
 が、4,5年前からのコロナ禍で私たちの楽しみにしているイベントが中止、縮小させられ、活動が減速されたと感じております。さらに、会員の高齢化は否めず、外出を控え家族会への参加も遠のき、参加者がますます固定化されてきました。
 今年の3月末の花見の時でしたが、「設立20周年」に当たり、記念誌を発行しようと誰からともなく提案されました。反対意見が出るのではないかと心配しましたが、機会あるごとに話し合い、総会時「記念誌発行!」を決定しました。記念誌実行委員も3人出て、大先輩ももろ手を上げて賛成され、手伝ってくれることになりました。
 創設から20周年を迎え、記念誌発行は初めての試みですし、20年が経過しているからこそ書けることも多いとの意見が出ました。試行錯誤を重ねながら実際に発行し、みなさんにお渡しできるのは、来年の総会のおり、令和7年の6,7月の予定です。
 会員には全員参加してもらおう。外部のご尽力していただいた方々に寄稿をしていただこうと、取りかかりは大変スム-ズでした。一応原稿の締め切りは決めさせてもらったのですが、早い方は一か月で仕上げて送って下さいました。
原稿書きにあまり気乗りがしない方も、かつての、真っ暗な闇での不安を思い出されるでしょう。そのうち、周辺の方に相談しながら、がんばり、助けられたことがあったことを思い出されるでしょう。そして、ここまでよくがんばった!と、当事者、家族をほめたたえ、たくさんの方々に応援していただいていることに、驚かされることでしょう。
そして、きっとこれからの「希望」に繋がるのではないでしょうか。今までと同じです。諦めなければ叶えられる!
12月現在、原稿に取り組みつつ、延期を申し出る方が多いです。戸惑っている方には伴走者をつけましょうと、聞きとりをやってみました。そのやり方で気持ち良く仕上げた方もおります。反対に、冊子に残ることが、「本人を傷つけるのでは?」と、仕上げる事を断念した方もいます。断念した方も、本人、家族を「生き辛くしていることが何なのか?」と、改めて家族で話すことになるでしょう。生き辛さに直面できたら、「ぷらむ」で取り上げましょう。そして、強力な医療・福祉・就労関係の専門家、ボランティアの方々に応援を求めましょう。
会員全員が原稿を仕上げられなくても、全員がそれぞれに参加していることは事実です。
みんなで「設立20周年記念誌」の仕上がりを楽しみに待っています!
(「ぷらむ」鹿児島 代表 野角伸子)
 
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NPO法人 日本高次脳機能障害友の会
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TEL:088-803-4100  FAX:088-803-4420
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