日本高次脳機能障害友の会より
NPO法人日本高次脳機能障害友の会より
2024年度メール通信No.2が届きましたので転載します。
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全国のみなさま
◇理事だより
6月に入り紫陽花のきれいな季節となりました。
先月19日日本高次脳機能障害友の会の総会があり、中でも高次脳機能障害支援法に向けては片岡理事長はじめ顧問の先生方にも法整備に向け全力投球いただけているとのご報告には大いに期待しています。
さて、皆様におかれましても総会を終え、日々の活動を精力的に進められていることと思います。「みずほ」でも5月11日に総会を終え、当日は久しぶりに対面の講演会を行うことができました。当会顧問の深川和利先生に「障害の回復とは~誰もが尊重される社会を目指して~」と題してご講演いただき、障害者が普通に生活していくことの大切さを改めて考えさせられました。
最近名古屋圏域では、何作かのテレビドラマで高次脳機能障害が取り上げられています。
ドラマの中では高次脳機能障害の社会的行動障害の様子が分かりやすく演出されていると感じながら見ています。そして、このようにドラマで取り上げられることで、この障害に対して人々の興味・関心を得ることができるのではと期待するところでもあります。
そんな中、テレビを見ていて自分と同じ症状があると思い支援機関に相談、医療機関の検査で高次脳機能障害と診断された方が、当法人事業所の利用を希望されるということがありました。この方は40年ほど前に脳の病気をしたことがあるそうです。 外観は何ともないけれど働いても長続きせず、何かがちょっと違うということで、長年にわたって生きづらさを感じてきたということもお聞きしました。けれど、これだとわかって本当に良かったと話されたお顔は笑顔で、とってもすっきりされた様子でした。
「みずほ」では今年度も愛知県からの高次脳機能障害社会復帰促進事業として家族相談会の実施を受託しました。研修による家族相談員のレベルアップを図りながら取り組んでまいりたいと思っています。
最後に私事で恐縮ですが、最近息子が自転車同士の交通事故に遭遇し全治3か月の診断で入院中です。自転車の交通違反取り締まりへの導入を盛り込んだ改正道路交通法が成立し、2年以内に施行されることになったことは皆様もご存じのことと思います。自動車運転についてはよく問題視されていますが、自動車は運転しないけれど自転車はよく利用するといった当事者の方は多いのではないでしょうか。事故処理は親が進めていますが、このようなトラブルは身近に多く発生するかもしれません。
(NPO法人高次脳機能障害友の会みずほ 副理事長 河田幹子)
◇報告
○令和6年度日本高次脳機能障害友の会総会
令和6年5月19日に令和6年度日本高次脳機能障害友の会総会を無事に開催することができました。本年度の総会の結果について、下記のとおりご報告いたします。
第1号議案
令和5年度事業活動報告・活動計算書・監査報告について 賛成18 反対0
第2号議案
令和6年度活動計画・活動予算について 賛成18 反対0
第3号議案
令和6年~令和8年度までの理事・監事について 賛成18 反対0
役員紹介
氏名 県名
理事 片岡 保憲 高知県
理事 堀間 幸子 岩手県
理事 外﨑 信子 神奈川県
理事 内田 由貴子 北海道
理事 遠藤 良一 福島県
理事 河田 幹子 愛知県
理事 中村 千穂 東京都
監事 山 加代子 富山県
監事 古謝 由美 三重県
※年会費につきましては、後日、事務局よりメールにて案内させていただきます。
(日本高次脳機能障害友の会事務局 岡村忠弘)
◇お知らせ
○日本高次脳機能障害友の会第20回全国大会2024 in福島
コロナ禍以降、現地の当事者家族会が主催する初めての全国大会の開催に向け、開催地である福島県の実行委員の皆様を中心に全国大会開催に向けた準備を進めております。参加申込の受付は、8月中旬~下旬ごろより開始する予定です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
<全国大会開催概要>
大会テーマ:集える場所、居場所が勇気をくれる~福島から届けよう私たちの未来~
開催日:令和6年10月4日(金)~5日(土)
会場:ホテルハマツ (福島県郡山市虎丸町3番18号)
○日本高次脳機能障害友の会第20回全国大会2024 in福島 協力金のお願い(添付資料①)
日本高次脳機能障害友の会全国大会は、例年、一般社団法人日本損害保険協会様に助成していただき、運営しております。出来る限り費用軽減に努めておりますが、全国大会の規模拡大や近年の物価高の影響もあり、予算が厳しい状況にございます。社会情勢が何かと厳しい中、皆様には恐縮でありますが、日本高次脳機能障害友の会第20回全国⼤会2024 in福島を開催するにあたり、協力金のお願いをさせていただきたくご案内申し上げます。詳細は添付資料をご確認ください。
皆様の協力をどうぞお願いいたします。
(日本高次脳機能障害友の会 理事長 片岡保憲)
○日本高次脳機能障害友の会のホームページがスマートフォンでも見やすくなりました。
https://npo-biaj.sakura.ne.jp/top/
○令和6年度第1回高次脳機能障害支援普及全国連絡協議会
主催:国立障害者リハビリテーションセンター
日時:令和5年6月26日(水)10:00~12:00
方法:Web開催(Zoom)
対象:高次脳機能障害支援普及全国連絡協議会委員※その他の方の傍聴申込可。
申込は令和5年5月27日(月)まででした。
○令和6年度第1回高次脳機能障害支援コーディネーター全国会議
主催:国立障害者リハビリテーションセンター
日時:令和5年6月2日(水)13:00~16:00
方法:Web開催(Zoom)
対象:高次脳機能障害支援拠点機関に所属する支援コーディネーター
※その他の方の傍聴申込可。 申込は令和5年5月27日(月)まででした。
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/event/参照
○かけはしプロジェクトから(以下のお願いメールが届きました)
「闘病記」を出版することになりました
徳島県在住で高次脳機能障害などの後遺症と向き合いながら子育てをし、啓発活動や同じ境遇女性の第三の居場所としてオンラインサークルを運営しています「かけはしプロジェクト」代表北島麻衣子です。(添付資料②)
かけはしプロジェクトHP等ではお伝えしているのですが、この度「闘病記」を出版することとなりました。でも、ただただ自分自身のことを語ったり、無事に社会復帰ができたという内容の闘病記にはしたくなくて、闘病中のリアルな気持ちや、私の場合は子育て真っ只中で、しかも妊娠中というかなり分母も少ない事例です。だからこそ、みんな子育ての困りごとを一人で抱え込んでしまっていたり、ご家族内で解決してしまっているケースも多いと思います。
全国の声を集めて本にしたい
今回の闘病記には高次脳機能障害を持ちながら子育てするパパママが実際どんなことに困っているのか、どんな支援を求めているのか。といった声を全国から拾い集め、まとめて本にしたいと考えています。
今すでにオンラインサークルに繋がってくれている仲間は、自ら携帯でこの居場所を見つけてくれた方が大半です。しかし、まだまだ多くの仲間がこの居場所の存在を知らない。もしくは、ZOOM操作が難しい。受障から日が浅く今はまだ誰かと繋がりを持とうといった前向きな気持ちになれない。といった方も多いと思います。そういった仲間を誰一人取り残したくありません。
オンラインサークルに参加する手助けを
そこで、お願いがあります。今現在関わりをもっている子育てパパママがいらしたら「かけはしプロジェクト」につないでいただけないでしょうか。もしくは、当事者の方でZOOMの操作が難しいといった方がいらしたら、操作のお手伝いをしていただき、少しだけお話を聞かせていただくお時間をいただけないでしょうか。
そして、地域によっては「パパの会」「ママの会」を立ち上げられ交流会の場を設けて活動されている団体も存在するかと思います。そういった団体の方とも繋がり、より多くの仲間の声を拾い上げたいと考えていますので繋いでいただけないでしょうか。
高次脳機能障害をもつ子育て世帯に対してなぜ支援が必要なのか、それは当事者のリアルな声の中にあります。この闘病記が当事者にとっても、日々支えられているご家族にとっても、支援職の方、医療関係者の方、行政職の方、そして高次脳機能障害を知らない方にとっても役に立つ一冊になればと考えていますので、どうかご協力の程よろしくお願いいたします。
HP~https://kakehashi-project.com/ (かけはしプロジェクト代表 北島麻衣子)
○「高次脳機能障害を持つパパママ交流会」に参加して
(札幌市地域活動支援センターコロポックルレディース所長 奥田 恭子)
作年7月30日に、パパママ交流会に参加しました。
コロポックルレディースからは、当事者2名(ママ)と家族1名が参加しました。
・買い物に行くためにメモを書いてもそのメモを忘れてしまう
・自分の易疲労を自覚できないため、夕方イライラして子どもにあたってしまう。どうしてよいかわからない
・自分の障害をわかってもらいたいが環境がない
・障害のない友人に、自分との違いを感じてしまい、家事や子育てのことを相談しづらい
・子どもと一緒に障害を学べる場があればよいと思う
・学校の理解がもっと深まると良いと思う
等、いろいろな意見が出されました。
そして、今回の交流会のように当事者同士で話し合う場が継続してあることが必要である、と多くの参加者が感じていました。
どんなこともその「当事者性」がとても大事です。高次脳機能障害+子育て中の当事者が、当事者同士で悩みを話したり、相談したりできる場があることが、当事者のレジリエンスを高めていくことに繋がります。
私たち支援者に求められていることは、その場に参加できるよう道筋を整えたり、参加中は情報の整理等のお手伝いをして、よりわかりやすい状況をつくること。高次脳機能障害は「見えない障害」、とも言われています。当事者が安心して社会の中で生活するために、今以上の支援が必要なことを改めて自覚しました。
◇家族会紹介
[高次脳機能障害の理解を広げたい]と[地域で福祉と文化がつながる]を二本柱に活動している「杜のハーモニー♪」の紹介
25年ほど前の暑い暑~い夏の日のことでした。20歳になったばかりの大学生の娘がスキューバダイビングの講習中に水難事故に遭いました。海中に沈んでいた娘を見つけて下さった3人の若い親子連れ、救難現場に居合わせたライフセービングの専門家、休暇でダイビングを楽しみにきていた救急医など、救難現場に偶然居合わせた皆さまがにわかレスキュー隊となって、娘を生き還らせて下さいました。病院から退院した半年後のある日、その時のことを娘にこわごわ聞いてみると、「この歳で死んでたまるか!!」との必死の思いを語ってくれました。生き延びたい娘の強い想いが、助けて下さった皆さま方に通じ、生き還らせてくれたと信じています。まさに奇跡の生還でした。事故当時の様子を思えば、回復はしていますが、今は元には戻れない自分に悩んでいます。娘が、自分の未来に少しの夢でも持てるように、そして、少しでも将来を明るくできるようにとの家族の切なる想いが湧き上がってきます。
家族会の歴史をたどると1990年代後半に全国で家族会が立ち上がり、厚生労働省が2001年からモデル事業に取り上げるなど、高次脳機能障害の歴史は未だ浅く、もっと社会に知ってほしい障害です。2009年に誕生した「杜(もり)のハーモニー♪」の設立の動機は「当事者とその家族の声を行政に届けたい」でした。会員同士の情報の交換と息抜きの場として3か月に1回定例会を開催し、加えて当障害を理解していただくために地域や一般の皆さまと一緒になり、「高次脳機能障害の理解を広げたい」&「地域で福祉と文化がつながる」を二本柱に活動しています。障害の有無に関係なく、それぞれがその人らしさを出し合い、当事者・家族・地域住民・医療・福祉・行政が調和し、これらが心地よいハーモニーを奏でることを願いつつ。
私は、昨年、東京都調布市障害者総合計画策定委員会に調布市高次脳機能障害者支援機関連絡会からの代表として出席しました。委員会では、障害とは社会によってもたらされるものであるという障害の「社会モデル」の視点に立ち「必要かつ合理的な配慮」が提供される「共生の社会」を目指し、環境作りを進める市の方向性について話しあいました。
当会には、親子関係・夫婦関係・若いママさん、パパさん・若者など、いろいろな課題をお持ちの会員がおられます。悩みは様々ですが、会員それぞれの要望が各自治体に、また高次脳機能障害者の最大公約数の要望が国の行政に届くことを切に切に願います。
杜(もり)のハーモニー♪の活動(活動を総称して「杜のひろば♪」と名付けています。)
【杜のひろば♪】
会員のみ参加・・定例会(茶話会&相談会)(3か月に1回)土曜日
会員&地域住民と共に・・手作り市「杜のマルシェ♪」(年1回)、講演会(年1回)、
「杜の仲間たちコンサート♪」(年1回)
*イベント3種類は活動状況により変更になる場合があります。
HP:http://morihamo.com
(杜のハーモニー♪ 代表 伊地山 敏(とし))
■日本高次脳機能障害友の会メール通信の編集は、理事 内田由貴子(脳損傷友の会コロポックル副代表)が担当しています。高次脳機能障害のニュース、各地の家族会の活動、情報などをお寄せください。(E-mail:koropokkuru@mail.goo.ne.jp)
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NPO法人 日本高次脳機能障害友の会
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TEL:088-803-4100 FAX:088-803-4420
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