2025年2月19日 New!
2024年度メール通信No.6が届きました

NPO法人 日本高次脳機能障害友の会より、2024年度メール通信No.6が届きましたので転載します。
もっとくわしい情報がほしいようでしたら、本ホームページの「お問い合わせ」からメールください。


全国のみなさま
 
◇理事だより
 ◆2025年11月1,2日「第7回 キッズネットワーク宿泊イベントIN東京」開催決定!
 日本高次脳機能障害友の会には「キッズネットワーク」という子どもの家族会の連絡会があります。2014年から毎年(コロナ時を除く)宿泊イベントや研修会を行ってきました。
次年度は宿泊イベントを再開します。主催はハイリハキッズ、会場は東京の国立オリンピック記念青少年総合センターです。第7回のメインテーマは「きょうだい」。きょうだいの子どもたちに心を寄せた活動を行います。第5回時も同テーマで話し合いましたが、下の子(きょうだい児)が大きくなった時にまた行ってほしいというリクエストが多数寄せられました。また、「きょうだいの子どもたちへのメッセージ集」は本障害だけでなく、ほかの病気や障害のある家族会や支援者の先生方からも多くの問い合わせをいただきました。プログラムとしては、親が事前にきょうだいのこどもたちに手紙を書いてその手紙を親、きょうだいが別室に集まって読み合うという活動を行います。その他、キッズタイム(子どもの活動)では音楽レクやミニクラシックコンサート鑑賞なども実施予定です。
 
◆子どもたちに高次脳機能障害を正しく知ってほしい
 ハイリハキッズ・ジュニアでは、受傷・発症間もなく、本障害の診断を受けて復学をしている家族の参加が増えています。コロナ前までは親のみが本障害を知っており、当事者やきょうだいの子どもへの「告知」をいつするのか、どう伝えたらよいかと話し合っていました。最近は子どもたちがSNS等を使って親の目が離れたところで簡単に本障害を知ることができます。正しい情報?どんなふうに障害特性や症状などを理解している?と不安でした。
昨年、NHKのテレビ番組「フクチッチ」で本障害を取り上げることとなり、一人でも多くの子どもたちに本障害を正しく知ってほしい!と思い取材をお受けしました。「フクチッチ」は子どもたちが福祉のテーマを楽しく、ちょっと深く学んでいく教養トークバラエティです。今回はハイリハキッズ、ジュニア、ジュニア+(プラス)、埼玉、よりよりホームズ(長崎)の会員家族に取材協力をお願いしました。そして、親の座談会を行うことに。座談会は3時間、泣き笑いの連続でした。放送では冒頭のナレーションで「実は子どももなることがあり、特有の症状が」と始まると、司会の方が「当事者だけじゃないよね」とつぶやきました。もう、この一言だけでグッときました。そして、思春期に子どもから「どうして自分を生き残らせたのか」「死んでしまいたい」と言われたとありましたが、息子も収録時に「いつも頭のどこかに死ぬかもしれない命だということはある」と話していました。
ハイリハキッズは今年の1月で会が発足して18年。改めて本障害への正しい知識と当事者とその家族の思いを、私たち家族会からも丁寧に発信していきたいと思いました。本障害を負った子どもとその家族が地域でふたたび自分らしく生きていくことは本当にむずかしいけれど、親子でたくましく成長してほしいと心から願っています。そのお手伝いが家族会でできたらと感じている今日この頃です。
第7回宿泊イベントも、子どもたちの笑顔があふれる楽しい会にしたいです!
(ハイリハキッズ 代表 中村 知穂)
 
◇書籍紹介
○1月11日にかがわ高次脳機能障害友の会 ぼちぼち の相談会に参加しました。そこで、学齢期に発症された方の親御さんから、就労が難しいという話が出ました。当会の初代顧問の阿部順子先生も「働いたことのない若い人たちの就労支援が難しい」とよくおっしゃっておられました。
帰宅後、何かできないかと考え、千葉県千葉リハビリテーションセンターの方々がお書きになった「私たち働いています。事例から見る小児期発症高次脳機能障害の発症から就労まで」という本をご紹介したいと思いました。
この本は、まず第1部で事例が4例記載されています。どの事例も20代の方達ですが、9歳の交通事故、12歳の髄膜炎、15歳の交通事故、10歳の脳腫瘍、とそれぞれ学齢期に高次脳機能障害になられた方達の受傷から就労までの経過が書かれています。その経過について、それぞれ専門家が、何が生じていたのか、どういう支援が必要だったのか、どんなサービスが使えるのかについてのコメントがあり、それらについての説明が後半に詳しく記載されています。
第2部では小児期発症の高次脳機能障害とその支援について、その第1章 高次脳機能障害の発症とその症状では、どんな症状が生じるのかの説明があり、第2章では小児期発症であることと、小児期ならではの課題、復学や進路選択、第3章は発症時期による青年期支援の課題、第4章 働くために必要な力とは、第5章 高次脳機能障害と就労、第6章 働く場・社会参加のいろいろ、第7章 障害者就労を支援する制度やサービス、第8章 働き続けるために、第9章 家族に知ってほしいこと・伝えたいことと続きます。
学齢期発症の方とそのご家族の方に是非読んで欲しい本だと思います。ご家族の方がお子さんを理解するのに、そして、就労に向けてどう取り組んでいけばいいのかの指南書ともいえる本だと思います。
全国の友の会の会員さんにお伝えできたらと思いました。
(日本高次脳機能障害友の会顧問 山口 加代子)
 
◇お知らせ
〇令和6年度高次脳機能障害ミニセミナー(申し込み締め切り2/8)
第4回 自動車運転に関する支援者向け研修会
主催:名古屋市総合リハビリテーションセンター
   なごや高次脳機能障害支援センター 専門研修会
日時:令和7年2月22日(土)14:00~15:30
方法:ZOOMを用いたオンライン研修
 
〇高次脳機能障害入門講座 令和6年度後期
主催:京都市高次脳機能障害者支援センター
日時:2月21日(金)10:00~11:00(会場開催日)
テーマ:就労に向けて
*オンライン受講期間=開催日から3週間(YouTube限定公開)
日時:3月7日(金)10:00~11:00
テーマ:特別編「当事者・家族からの声」
*オンライン受講期間=開催日から3週間(YouTube限定公開)
 
〇第27回 なるほど!なっとく!!高次脳機能障害
主催:高次脳機能障害者支援「笑い太鼓」
   高次脳機能障害者サポートセンター笑い太鼓
日時:オンデマンド配信3月10日(月)~4月30日(水)
参加申し込み:2024年12月1日~2025年4月30日
テーマ:高次脳機能障害者の生活~ちょっと待て!ほんとうにいいの?その決断~
第1部:講演 講師 野々垣 睦美氏
     (高次脳機能障害友の会ナナ クラブハウスすてっぷなな 統括所長)
第2部:Q&A
 
〇令和6年度  高次脳機能障がい支援者セミナー(申し込み締め切り1/14) 
主催:福岡県、福岡県障がい者リハビリテーションセンター
日時:2月21日(金)13:30~15:00 
開催形式:WEB形式での開催(ZOOM)
テーマ:高次脳機能障がい者の支援について~生活期の支援を中心に~
講師:小原 葉子先生(福岡市立心身障がい福祉センター 精神神経科)
 
○高次脳機能障がい支援研修会 添付④(申し込み締め切り3/8)
主催:鳥取県・野島病院高次脳機能センター
日時:令和7年3月15日(土)13:00~15:00
会場:エースパック未来中心 セミナールーム7
テーマ:「両立支援の基本と高次脳機能相障がいにおける支援」
講師:豊田 章宏先生(労働者健康安全機構 中央労災病院 治療就労両立支援センター所長)
 
◇家族会紹介「高次脳機能障がいをサポートする一般社団法人アイズ」
私のオット、いっちゃんが全国でもまれな症例で重度の高次脳機能障がいになって、19年目になります。
最初は命が助かったことを喜び、その後にやってくる様々な困難を想像することもなかった能天気な私でしたが、長い時間を経て高次脳機能障がいの家族として、心臓に毛が生えてるんちゃう?って言われるぐらい強くなりました。強くならないとやってられへんわ‼と開き直っています。色々ありましたが、今が一番充実していると感じます。
 
孤独期間が長かった私ですが、「高次脳機能障がいを世の中の人に知ってもらわな‼」って旗を振って一般社団法人アイズを始めました。毎日毎日重度高次脳機能障がいのオットとの暮らしをブログで発信(今はおさぼり中なり)いっちゃんの数少ない表現方法の口笛でステージに呼んでいただいたり、講演させていただいたりするようになり、水を得た魚のように私はめちゃくちゃ元気に飛び回る人生を走り出しました。
出版したり、NHKの障害福祉賞を頂いてTV全国放送になったり、コロナ禍には北海道にプチ移住。とうとう銀幕デビュー(ドキュメンタリー映画高次脳機能障害 いのち見つめて)まで果たしました。
さすが、タダでは起きない関西人でございます
2022年に開所した、就労継続支援B型事業所ギフトは高次脳機能障がいの方に特化しています。コロナ過でしんどすぎた時、高次脳の人行き場なさすぎやんって思ったのがきっかけ。ギフトではリハビリを常に意識して、仕事の中に取り入れています。何なら帰りのハイタッチすらあえて動きにくい手を容赦なく高くハイタッチしてもらいます。スパルタがええのです。みんな元に戻らないことは分かっていても、「いつも心に太陽を」で希望に燃えています。
私の暑苦しい、押しの強い話に夢を持ってくれています。それには重度のいっちゃんも一役買っていて、「あの、いっちゃんが頑張っているから」と言ってみんなもそれぞれに目標をもって通ってきてくれています。心が凹むこともあるけど、ひとしきり凹んだらまた前を向いていこうね。だって命が助かったんやもん。それだけで丸儲け。強運の持ち主さんや!!幸せな事やねんでと私にお尻を叩かれているギフトの利用者です。車いすを卒業した人・麻痺手が動かしやすくなった人・失語症なのにどんどん言葉を獲得する人・知らない人とはしゃべれませんと言いながら接客がぴか一の方(ほんまに人見知りかいな?)と突っ込みいれたくなるぐらいみんな頑張り屋さんです。私はみんなから毎日たくさんのギフトを頂いて還暦をとうに過ぎたというのに、二十歳のスピードで自転車をこいでギフトに向かいます。去年12月に和歌山の講演会に呼んでいただき、その時お話した若い奥様から白井さんのブログ読んで元気出してますと言っていただき、今年は原点に戻りちゃんとブログを書こうと猛省中。
いっちゃんが重度高次脳機能障がい者になったことに意味を見つけたい。いっちゃんと私の経験が人の役に立ったなら私はそれだけで幸せです‼
(高次脳機能障がいをサポートする一般社団法人アイズ代表  白井京子)
                                  
■日本高次脳機能障害友の会メール通信の編集は、理事 内田由貴子(脳損傷友の会コロポックル副代表)が担当しています。高次脳機能障害のニュース、各地の家族会の活動、情報などをお寄せください。
(E-mail:koropokkuru@mail.goo.ne.jp)
 
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NPO法人 日本高次脳機能障害友の会
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事務局 岡村 忠弘
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