南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2018 南房会ストック1月新春号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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12月定例会の内容

・12月16日(土) 毎年恒例で2017年最後の定例会は忘年会でした
           参加20名

今後の予定

・ 1月13日(土) 落語入門講座「新春まるやま寄席」 丸山公民館
            ~落語を10倍楽しむために~ 
           13時30分~15時  
           申し込み 丸山公民館 46-4031
・ 1月18日(木) 新春落語会 石堂寺
           13時開場 13時30分開演
           出演 先代の三遊亭円楽さんの弟子 真打 三遊亭小円朝さん
              林家木久扇さんの弟子で 真打 林家久蔵さん
           参加費無料
・ 1月20日(土) 家族会定例会 沓見 楽市座
           13時30分~
・ 2月 4日(日) 白浜お楽しみ広場 他団体との交流・雑貨販売 
           9時30分〜15時
・ 2月10日(土) 南房総市福祉大会 他団体との交流・雑貨販売 
           10時~15時
・ 2月17日(土) 家族会定例会 鴨川リハビリ病院
           13時30分~
・ 2月25日(日) 映画上映会「博士の愛した数式」 みづきホール
           くわしくは家族会ホームページ「なんぼーこーじ」で

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   「安房の国(南房総)新春パワースポット日本一!」

 安房の国は、忌部氏(いんべうじ)の手になる『古語拾遺』(こごしゅうい)に記された阿波忌の東遷説話が知られます。これによれば、忌部氏遠祖の天富命(あまのとみのみこと:天太玉命の孫)は、各地の忌部氏(のちの斎部(いんべと読む)氏・大和朝廷の祭祀にあたった)を率いて種々の祭祀具(さいしぐ・祭りの儀式に使う道具)を作っていたが、さらに良い土地を求めようと阿波地方(現在の徳島県)の斎部を率いて東に赴き、そこに麻(アサ)・穀(カジノキ)を植えた。そして、阿波斎部が移住したのでその地は「安房郡」と名付けられて、これが安房国の国名になったとする説。
 忌部氏を率いた天富命(あまのとみのみこと)が館山に上陸し、すぐに建設にかかったのが安房神社であった。日本全国に神社は多く伝統的な格式の区分けがあります。古来から受け継がれてきた神社は、大宝律令(701年、本格的な刑法(律) 行政法(令)の制度)によって制定。一宮は国(当時の行政区)で一番有力な神社を指し、次いで高い社格がそれぞれ二宮三宮となります。
 この安房神社は、格式すべてに最上の社格を与えられている数少ない神社の一つで、民の声を朝廷にお伝えする場所として、最上の位を与えられた神社です。
 ところが、「一宮」は1つの国に1つというのが原則ですが、館山には安房神社のほかに一宮がもう1つあります。それが洲崎神社(洲ノ崎神社)です。その経緯は源頼朝でした。伊豆は石橋山で平氏討伐に立ち上がりますが、戦いに敗れわずか7人の手勢で南房総に船で逃げてきます。頼朝は洲崎神社に立ち寄り多くの武将に「平氏討伐に参戦せよ」と祈願し手紙を出します。
 そこで立ち上がったのが鎌倉時代最強の武将、下総(しもうさ)の千葉常胤(ちばつねたね)です。 常胤は頼朝を下総に迎え軍師としてともに鎌倉に進撃。途中他の豪族に参戦を求め、ふくれ上がった軍団は5万とも6万とも。頼朝が安房に上陸してわずか20日たらずで鎌倉に到着。その後壇ノ浦で平氏を滅亡させ、1192年「いいくにつくろう鎌倉幕府」が成立。その最大の功労者が千葉常胤だったのです。 
 頼朝さんは南房総や千葉の皆さんに感謝したそうですが、なによりも願いを聞いていただいた洲崎神社には、天下統一を果たし武家の棟梁(とうりょう)として、神田(しんでん)の土地のほか、洲崎神社領の年貢以外の夫役(ふやく・労働で納める課役、人身課税を免除)を奉(たてまつる)り最上級のお礼をしています。

 貴方が「もうだめだ!」と思ったら南房総にきてください。このパワースポットにお参りすれば必ずや力になっていただけます。ですが一番大切なのは、貴方が志を持って行動しなければなりません。ただの神頼みでは神様も困るでしょうね。新年を迎え新たな気持ちで動き出せば、安房神社、洲崎神社の神様の強力なバックアップをいただけること間違いありません。

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  「ノーベル賞」

 昨年の暮れ、スウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式がありました。文学賞はイギリス人のカズオ・イシグロ氏、平和賞は団体でNGOの「ICAN」でした。イシグロ氏は母親が長崎で被爆。そこで原爆投下から復興する長崎を舞台にした最初の長編小説「遠い山なみの光」で作家の道に。1999年10月、アウシュビッツ強制収容所を訪れます。第2次世界大戦とその恐怖や勝利については、親の世代がすることだと考えていたが、これらのとてつもなく大きな出来事をじかに目撃した多くの人々は、近い将来いなくなるということがふと頭に浮かんだ。記憶にとどめることは、私たち世代の責任になったのか。
 「親の世代から私たちの世代に、できる限り未来へ記憶や教訓を伝える必要がある」
 また、「分断が危険なまでに深まる時代、耳を澄まさなければならない。良い作品を書き、読むことで壁は打ち壊される」と、文学者が担う使命の重要性を話してくれました。

 ICANからはカナダ在住のサーロー節子さんでした。「米国が最初の原爆を私が住んでいた都市広島に投下した時、私はまだ十三歳でした。私は今もあの朝を鮮明に覚えています。八時十五分、窓からの青みを帯びた白い閃光(せんこう)に目がくらみました。体が宙に浮かぶ感覚を覚えています。静かな闇の中で意識を取り戻すと、倒壊した建物の中で身動きできないことに気付きました。級友たちの弱々しい叫び声が聞こえてきました。「お母さん、助けて。神さま、助けて」そして突然、私の左肩に手が触れるのを感じました。「諦めるな。頑張れ。助けてやる。あの隙間から光が差すのが見えるか。あそこまでできるだけ速くはっていくんだ」誰かがこう言うのが聞こえました。はい出ると、倒壊した建物には火が付いていました。」
 また、「私はくすぶるがれきの中に閉じ込められても、頑張り続けました。光に向かって進み続けました。そして生き残りました。いま私たちにとって、核禁止条約が光です。この会場にいる皆さんに、世界中で聞いている皆さんに、広島の倒壊した建物の中で耳にした呼びかけの言葉を繰り返します。
「諦めるな。頑張れ。光が見えるか。それに向かってはっていくんだ」

 さすがノーベル賞受賞者です。お2人の話に感動しました。暮れで終わったNHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」で「戦のない世を作るために戦う!」というセリフがありました。まさに皆さん戦っています。
 昨年の漢字1字は「光」、流行語大賞は「戦のない世を作るために戦う!」に決まりです。皆さんはいかがでしょうか。ちなみに、今回のノーベル賞授賞式は、核保有国の大使はボイコットしています。

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  小野次郎右衛門 忠明 と ウィリアム・シェイクスピア

 もう10年になりますか。7町村が合併してできた南房総市、天津小湊と合併した鴨川市、それに以前からある鋸南町や館山市を合わせて、南房総地域あるいは安房圏域と言います。千葉県の中でも有数の観光地で、歴史や景観にも恵まれた地域です。
●「小野次郎右衛門 忠明」
 南房総市旧丸山町は、剣豪「小野次郎右衛門 忠明」の生誕地で、里見家家臣だった父親の「御子神 土佐重」の子として生まれ、「御子神 典膳」(みこがみてんぜん)と名乗っていたようですが、いつからか母方の「小野」の姓を名のるようになります。
 忠明さん、時は1600年東西が激突する戦国の世最後の決戦「関ケ原」では、のちに2代将軍となる「徳川秀忠」に仕えています。家康とは別行動で信州は信濃の国、真田の城「上田城」を攻め落として関ケ原で合流の予定でしたが、真田の計略に予想外の苦戦をします。そのため関ケ原の決戦に遅れをとりますが、それでもなんとか東軍の家康は勝利を収めます。
 この時皆さんもご存じでのちに剣豪と言われた、若き「宮本 武蔵」も西軍の側で参戦しています。この武蔵、味方が総崩れし命からがら逃げだし難を逃れています。
 忠明さん、試合も数多く行ったようで将軍家剣術指南役だった柳生新陰流の柳生十兵衛とも立ち会ったようです。お互いが木刀を持っての睨み合いで動かず、とうとう十兵衛討ち入ることもできず木刀を下ろし降参します。忠明さん「将軍家剣術指南役 小野派一刀流開祖」として全国にその名声が轟きます。
 一刀流の流派は歴代受け継がれたようで、幕末には千葉周作(北辰一刀流)、新選組の大石鍬次郎(小野派一刀流)、仙台藩一の剣の達人鈴木直之進(天辰一刀流)、山岡鉄舟(一刀正伝無刀流)など、他にも多くの剣豪が引き継いでいます。
●「ウィリアム・シェイクスピア」
 シェイクスピアと言えば、皆さんもご存じ四大悲劇「ハムレット」「オセロ」「リア王」「マクベス」、その他「真夏の夜の夢」「ジュリアス・シーザー」「アントニーとクレオパトラ」「ロミオとジュリエット」「終わりよければすべてよし」など、全37作品を発表しています。
 世界でも有名ですから多くの舞台で上演されています。監督では巨匠と言われる黒沢 明監督ですが、皆さんご存知の映画「乱」は、「3本の矢」で有名な毛利 元就とシェイクスピアの「リア王」を合体させて作られた傑作で、世界の黒沢と言われるゆえんでしょうか、高い評価も受けています。
 旧丸山町にある道の駅ローズマリー公園には、シェイクスピアカントリーパークがあり、楽しくシェイクスピアの生活や人生を知ることが出来る施設があります。現在は特別の日に開館しているようで来館希望の場合は問い合わせが必要です。

 さて、忠明さんとシェイクスピアを簡単に説明しましたが、一見無関係のようにも思えるこの2人、じつは西暦1600年、東洋と西洋の違いはありますが同じ時代に生きています。
 この旧丸山町、さすがですねー。国道128号線を境に北を東洋・南を西洋に分けたのでしょうか、北側には8代将軍吉宗が薦めた酪農の里・重要文化財の石堂寺・忠明さんの生誕地、南側には太平洋は海の雫(しずく)と言われるローズマリーとシェイクスピアカントリーパーク。
 「やはり道の駅ローズマリー公園ですよ」「いやいや日本ではここだけにしかいない牛や重要文化財があります」とか。さてさて東軍と西軍の激突ですが、皆さんの軍配はいかに!
 小さな田舎の町ですが、日本とイギリスの国際交流に観光面で大きな役割を果たしています。観光では見たい所にピンポイントで行くのもいいですが、その町の全体像を知っていくと楽しみも数倍でですかね。
 そんな場所に私たち南房総高次脳機能障害家族と支援者の会やNPO法人スマイル安房の拠点があります。一度遊びにきませんか。会を支援してくれる方を募集していますのでよろしくお願いいたします。
小野派一刀流開祖 小野次郎右衛門 忠明(1565~1628) 
ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)

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 新年あけましておめでとうございます。昨年は10周年ということもあり皆様には大変お世話になりました。会を代表して御礼申し上げます。わずか3家族からの旅立ちでしたが、10年で会員も増え、多くの方に支援をいただき、皆さんのおかげでここまで来ることができましたと、お礼の意味も含めて取り組んだ10周年記念イベント。今ではやってよかったと思っております。

 当日は帰りに多くの方から「朗読劇よかったよ」とのお言葉をいただきまして「ホッ」としていましたが、後日、遠路はるばるきていただいた千葉リハビリテーション地域連携部 森戸様より、千葉リハの会報に感想がのっていました。 
 「11月11日(土)に南房総とみうら元気倶楽部さざなみホールで創立10周年記念の会が行われました。当日の朝は、南房総は強風で荒れ模様の天気だったようですが、開始の頃は穏やかとなり、たくさんの人が集まりました。館山ダルクの皆さんによる「元気が出るエイサー」、石黒会長や来賓の方々のあたたかい挨拶の後、当事者や家族、支援者による高次脳機能障害者の当事者が家族会と出会うまでを描いた朗読劇が行われました。この朗読劇は、世話人の石黒さんを中心に会員の方が協力して作成した台本で、当事者や家族の受傷時の状況も伝わってきます。後半は家族会の場面を当事者が演じ、とても素敵な劇となりました。最後に、安房西高校の吹奏楽部による演奏もあり、地域のつながりが見えるさわやかな会でした。」  
 森戸様ありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。さて今回の朗読劇ですが、好評につき劇団を作る話があるとかないとか、いろいろアイデアが出ています。
 10周年を機に新たな1歩を踏み出せることができますか、今後がたのしみです。

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「今月の貴方に贈る言葉」

 「天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、
             苦悩する者のために戦うものである。」
     
               フローレンス・ナイチンゲール(看護師)

 今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp