南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2018 南房会ストック3月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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2月定例会の内容

・2月17日(土)会員相互の交流と親睦 亀田リハビリテーション病院
        「リハビリ体操」 参加18名
                       
 今後の予定
 
・2月25日(日)映画上映会「博士の愛した数式」
         会場 亀田医療大学ミズキホール
         主催 千葉県高次脳機能障害支援事業
            亀田リハビリテーション病院
         後援 南房総高次脳機能障害家族と支援者の会
         午後1時開場 上映 午後2時~午後4時
 
・3月 2日(金)NPO法人スマイル安房 総会準備会 沓見楽市座
         午後1時~午後4時
 
・3月 3日(土)第16回高次脳機能障害交流会 千葉リハ
         午後1時~午後4時30分
 
・3月 4日(日)NPO法人チアプラム設立記念講演 秋葉原UDX
         「高次脳機能障害者家族が望むこととこれから」
         午後1時~午後4時
 
・3月 6日(火)千葉県安房圏域 地域相談員研修会 館山コミセン         
         午後1時~午後4時
 
・3月17日(土)家族会総会 沓見楽市座
         午後1時30分~
 
・4月 7日(土)大房岬さくらまつり 雑貨販売 大房自然の家
         午前9時30分~午後3時
 
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   「落語講座」
 
 先日、南房総市の丸山公民館で落語講座がありました。テレビではたまに
見ますが生で聞くことはあまりありません。まして「落語を10倍楽しむ方
法」なんて言われれば聞きに行きたくもなります。以前は結構身近に演芸場
があったそうですが、今では浅草演芸ホール、上野鈴本演芸場、新宿末廣
亭、池袋演芸場と、代表的なのは4つだそうです。
 
 落語家ってぇのは話が商売ですから、使うってぇと扇子と手ぬぐいぐらい
ですんで、一席やれば御あしが頂けるこんないい商売はありません。高座に
上がれば座布団があります。一席終われば座布団をひっくり返しますが、こ
の座布団、正方形で3面に縫い目があり1面だけ縫い目がありません。この
縫い目のないほうをつねにお客さんのほうにむけます。落語家とお客さんの
間に垣根はありませんと言うことです。
 
 演芸場で行う場合、舞台の横に長い紙に今日の演題が書いてありますが、
皆さんの身近でやるってえと、本題に入る前に「まくら」と言う小噺を行い
ます。これで今日のお客さんの反応を見て本題を決める。本題も新作落語や
古典落語などいろいろありますな。話始めると居眠りをするお客さんがいま
すが、ここが日本語の凄いところ、一言で起こす言葉がございます。大声で
いきなり「わ!」、だいたいこれで起きますが、いきなりの大声に驚いて椅
子からころげ落ちる方もいるようです。
 
 落語家さんには皆さん出ばやしというものがあります。よくご存じの方は
この出ばやしを聞いただけで誰が出るのかわかるそうですな、開演前には太
鼓を鳴らします。「入れ入れ」と聞こえるそうですが、最後の演目が終わる
と「出ていけ出ていけ」と聞こえるそうです。演芸場に行くと、今日の出演
者の名前が出ていますが、黒文字は落語、赤文字は漫才や他の出し物だそう
です。 
 
それでは小噺を二つばかし。
 
 「屋根」

 八っつあん「こんにちは、ご隠居さん」
 隠居「おや、八っつあんかい。こっちにお上がり」
 八「へぇい、今日はいいお天気で」
 隠「八っつあん、この前うちのばあさんに何か言ったんだって?」
 八「へぇい、雨が漏るんですが…、と言ったんですがね」
 隠「それで、ばあさんは何て答えたんだい?」
 八「やぁねぇだって」
 
 
旦 那「権助、権助、お前、なんだ今のあいさつは。
    町内の方が、今日は馬鹿に寒いなぁと言ったら、
    おらがのせいではねぇだって、そんな挨拶をしていちゃ
    商売も出来ないじゃないか。そういう時は、
    ああ、お寒うございます、この分じゃ山は雪でしょう、
    ぐらいの事を言いなさい」
権 助「ああ、そうかね、じゃ、おらあしたからは、そう言うべぇ」

 なんてんで、その次の日になりますと…

若い衆「権助さーん、おはよう」
権 助「あ、おはようごぜぇます」
若い衆「今日は馬鹿に寒いなぁ」
権 助「あーあ、寒いだなぁ、この分じゃ山は雪だんべ」
若い衆「おおい、聞いたかよ、権助さん、ちゃんと挨拶が出来たよ」

 なんてんで、こうなると当人も嬉しいと見えまして、
 毎朝、雪だんべー、雪だんべー、とやっておりましたが、
 そうそう、寒い日ばかりは続きません
 で、ある時、大変に暖かい日がございまして…

若い衆「権助さーん、おはよう」
権 助「あ、おはようごぜぇます」
若い衆「今日は馬鹿に暖ったかいなぁ」
権 助「あー、暖ったかいだなぁ、この分じゃぁ、山は火事だんべ」
 
 人間に一番身体に悪いのはストレスだそうですな、元気で長生きの秘訣は
笑うことだそうで、何かと笑いを忘れる忙しい現代人ですから、今年は皆さ
んで笑って行きたいものですな。
 
おあとがよろしいようで
 
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   「10年後」
 
  最近にわかに話題になっているのが、「10年後に無くなる仕事」と言
うのがあります。10年後に無くなる職業に現在勤めている方には「え!入
っているじゃん」と驚く方もいるのでは?と思います。30年前ぐらいから
でしょうか、パソコンの普及で現在では行政・病院・企業のデスクにはずら
ーと並んだパソコンの列。パソコンができない方と言えば60歳以上の方は
できない人も多く「この機械ただもんじゃ~ねえ!」と敬遠してしまう。
 
 今後無くなる仕事では アマゾンや楽天などネットの普及で本屋・家電・
商品と、魚・野菜など産地直送で中間業者と言われている仲買。また、士業
と言われる、弁護士・司法書士・社会保険労務士など。皆さん難しい試験に
合格しても人数が過剰になる予想だそうで、無くなりはしませんが生き残る
には大変だそうです。
 
 それにAI(人口知能)の普及と、人口減少の影響でロボット化が更に進
み、レジ係・ホテル・娯楽施設などの案内、車の自動化でタクシーやワンマ
ンバスがあげられています。また、ライフラインと言われる電気・ガス・水
道ですが、今ではオール電化でガスがないお宅も多く、電気も自家発電と蓄
電装置の普及で電気の需要も減る予想ですから原発はいらなくなりそうです。
さすがに水は必要のようです。
 
 それでは今後もある職業と言われる仕事では、3Dプリンターなどの印刷
業、環境問題のバイオ・廃棄物処理業・水産養殖、芸能・芸術・音楽関係。
医療の関係では、ソーシャルワーカー・言語聴覚士、理学療法士・ケアマネ
ージャーとありました。やはり人のいるところに仕事ありですかね。もちろ
ん10年先のことはわかりませんが、現在では無くなる確率は低いようです。
 
 車と言えば、自動運転の開発競争も激化しているようですが、車の修理屋
さんも大変のようですので、ちょっとした事故でももう買い替えの時代です
かね。自動で止まれば事故も減るのか、保険業もどうなるでしょうか?
 ハウスクリーニングは無くなるとは書いてありませんので生き残りそうで
すから、覚えたいと言う方は相談にのります。
 
 私の若い頃は、テープレコーダーがありましたが、カセットがCDになり、
ビデオもDVDになりました。電話もスマホになり、時代の変化が速すぎて
携帯のガラケーもいつまであるでしょうね。
 そのうち人間もいらなくなって、ロボットが人間を絶滅危惧種に指定する
世の中がくるかも知れませんね。
 
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   「奇跡の人」
 
 ヘレン・ケラーさんは1880年6月27日に米国南部・アラバマ州の小
さな町で生まれました。このころの日本は、明治13年で、西郷隆盛は明治
10年、西南戦争で亡くなっています。ヘレンの父親は南北戦争時に南軍の
陸軍大尉でした。南北戦争は1861年から1865年にかけて、アメリカ
合衆国の北部諸州とアメリカ連合国を称した南部諸州との間で行われた内戦
で、北軍が勝利しています。戦争に負けたとは言っても裕福な地主だったア
ーサー・ケラーは『ノース・アラバミアン』という新聞のオーナー編集長で、
妻ケイトとの間に生まれたのがヘレンでした。
 
 ヘレンが高熱に見舞われたのは1882年2歳の頃で。医師の治療で一命
はとりとめたものの、視力と聴力を失ってしまいます。高熱の原因は猩紅熱
(しょうこうねつ)でした。この猩紅熱は小児に多い発疹性伝染病で、日本
では明治年間に法定伝染病に指定され恐れられていた病気の一つでしたが、
抗生物質が開発された後には、容易に治療が可能となりました。
 
 ヘレンはまったく光と音が存在しない闇の中でも、知性のひらめきを見せ
5歳までに約60の身振りによる「言語」を持ちました。ケラー夫妻は娘を
多くの眼科医に診せましたが、視力は回復しないだろうという診断でした。
父親のアーサーはあきらめず、アレクサンダー・グラハム・ベル博士に会い、
友人を紹介されます。皆さんご存知のベルは電話の発明で有名ですが、1872
年にシカゴに聾(ろう)学校を設立しており、ベルはヘレンの父親にマイケ
ル・アナグノスを紹介します。アナグノスがヘレンのために選んだ教師が、
アン・サリバンでした。
 
 このアンも5歳の時に眼病にかかり失明し、その後母親が亡くなり、父親
がアンを養育できなかったことから、マサチューセッツ州テュークスベリー
の州立孤児院に引き取られ5年間暮らします、そこにたまたま孤児院を視察
に来た州の慈善事業委員長に、「学校に行きたい」と強く訴えたのが功を奏
し、14歳でパーキンス盲学校に受け入れられます。そこで目の手術を受け、
かなり視力を取り戻し、1886年に首席で卒業するほどになりました。
アンの素晴らしい能力にケラー夫妻はアンを雇うことにします。
 
 家庭教師アン・サリバンによるヘレンの教育は、ヘレンの才能を開花させ
ます。手に水をそそぎ「ウオーター」と教える場面は映画の中にも取り上げ
られるエピソードとしてご存知の方も多いと思います。その後ヘレンは米国
の女子教育の名門であるラドクリフ大学に入学します。ヘレンは、ラドクリ
フ大学を卒業後ほどなくして障害者の救済に動き出します。そして昭和39
年には、ジョンソン大統領から、米国で最大の名誉である「自由勲章」を授
与されました。
 
ヘレン・ケラーさんは、日本には昭和12年、23年、30年の3回来訪し
ています。とくに昭和30年の際は日本国民の熱狂的歓迎を受け、全国各地
で講演して回り、これが2年後、身体障害者福祉法制定として実りました。 
                     
 日本の高次脳機能障害は、叫ばれ始めてまだ20年ぐらいでしょうか。当
初は主に支援の対象が働き盛りの当事者が中心でしたが、近年、子供の高次
脳機能障害の支援が叫ばれ、小児の高次脳機能障害にも力を入れることが、
脳外傷友の会全国大会で提案され、承認されています。子供はどんな障害で
あれ教育を受ける権利があり、その環境をより充実させていかなければなり
ませんね。
 
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   「新年度」
 
 「逢うは別れの始めなり」とか申します。入学・卒業・移動など、新年度
は不安と希望で落ち着かない時期ですね。保育園や幼稚園の前を通ると、み
んなで「♪~いつの事だか思い出してごらん、あんなことこんなことあった
でしょ~」と歌うのが聞こえてきます。そして、身体の半分もあろうかと思
うランドセルで小学校に通う1年生。新しい背広で会社に行く新入社員、新
しい職場での出会いなど、思いもそれぞれです。
 
 このストックも昨年の4月より全国配信して、早いもので1年になります。
南房総に住んでいるので、南房総の新しい話題を取り上げていますが、観光
や歴史にも触れています。南房総出身ですでに都会で暮らし、なかなか故郷
に帰ってこれない方のためにも、「今も故郷は元気ですよ」と伝えられるよ
うに頑張ってまいりたいと思っています。
 
 また、障害を持つ当事者と家族の皆さんには、千葉の先端の隅っこで、な
かなか行政の方針が伝わらない場合もありますので、最新情報が伝えられる
ようにしていきたいと考えています。家族会が10年を迎え振り返るに、こ
の安房圏域に、10年前は医療の現場に高次脳機能障害はあるのに、行政の
現場には高次脳機能障害はありませんでした。
 
 南房総に家族会が結成され、県知事あてに住民の声としてメールを送りま
したところ、当時千葉県知事は堂本さんでしたが、「頑張って下さい」との
返事をいただき、同じころ中核地域生活支援センターができたり、県より千
葉リハビリセンターの方が南房総圏域の行政に強力に入り、高次脳機能障害
の存在と支援・普及をお願いしてくれました。
 
 現在では、高次脳機能障害家族と支援者の会が土台となって作られたNP
O法人スマイル安房が、広く安房圏域の障害者団体の横のつながりを作るべ
く活動しようとしています。もし、あなたの所にスマイル安房の方がお伺い
しましたら、いろいろお話を聞かせて下さい。行政に反映できるように努力
します。よろしくお願いいたします。住みやすい南房総を共に作りましょう。
 
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   「今月の貴方に贈る言葉」
 
  「盲目であることは、悲しいことです。
      けれど、目が見えるのに見ようとしないのは、
                   もっと悲しいことです。」
 
         ヘレン・ケラー 
        (米国の教育家、社会福祉活動家、著作家 / 1880~1968) 

 
 今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp