南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2019 南房会ストック12月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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11月の定例会の内容
        会員相互の交流と親睦
        「うたごえ広場 がんばろう!南房総」の打ち合わせ
        「県内一番をめぐる研修会」の打ち合わせ
          
今後の予定
 
1月25日(土)第16回高次脳機能障害リハビリテーション講習会
        午後1時~4時 参加費無料
        千葉県千葉リハビリテーションセンター
        1、講演「高次脳機能障害は主体性が重要」
          講師 長谷川 幹氏
             (三軒茶屋内科リハビリテーション院長)
        2、シンポジュウム「職場の理解を得るために」    
        問い合わせ 千葉リハビリテーションセンター
              TEL043-291-1831 
 
2月 予定   白浜お楽しみ広場 雑貨販売
        午前10時~午後3時
        白浜コミュニティーセンター 
        
2月29日(土)福祉まつり 雑貨販売
        午前10時~午後3時
        白浜コミュニティーセンター 
        主催 社会福祉協議会        
         
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   「天野屋利兵衛(あまのやりへい)」
 
 現在、映画「決算 忠臣蔵」なるものが上映されているようです。討ち入
りするのも金がかかる、取りやめるかなどコメディー的な内容のようです。
南房総地域には映画館はありませんので見てはいませんが、出演されている
俳優の皆さんを見れば面白そうな映画です。
 
 この忠臣蔵、本来は「赤穂事件」が正式で、赤穂浪士が吉良上野介の首を
取ったと江戸庶民は大騒ぎ。その後歌舞伎や浄瑠璃で『仮名手本忠臣蔵』と
して上演され大当たり。当時「赤穂事件」としての題名では幕府に目を付け
られ上演中止になりかねないと、赤穂四十七士をいろは四十七文字になぞら
えて『仮名手本忠臣蔵』としての上演に踏み切ったもので、現在では「赤穂
事件」というよりは「忠臣蔵」として一般に知られています。
 
 さてこの忠臣蔵、本当にお金に困っていたのか?ですが、まだ討ち入り前
の出来事です。赤穂藩の家老だった大石内蔵助(おおいしくらのすけ)は天
野屋利兵衛のまじめな商売ぶりに藩の出入り商人として取り立てていました
あるとき藩では年に1度什器(じゅうき)を倉から取り出し虫干しをする日
でした。利兵衛はたまたまその日赤穂の城に上がっていて、什器の虫干しの
話を聞き、内蔵助に願い出てその珍品を見せてもらった。
 
 さて、虫干しも終わり役人たちが什器類のかたづけをしていたとき、玉椀
(ぎょくわん)が1個紛失していることに気が付きます。当然その日外部の
人間は利兵衛一人ですから嫌疑がかかる。内蔵助は利兵衛に聞くと「はい私
が盗みました」。驚いた内蔵助は、たとえ玉椀1個といえども家宝を盗んだ
ともなれば極刑は免れない。内蔵助は利兵衛をとりあえず拘禁し浅野内匠頭
(あさのたくみのかみ)にどう話をするか思案をしていた。
 
 ところがなんと!浅野内匠頭が袖から玉椀を取り出し「懐かしいから部屋
でみていた」とのこと、またまた驚いた内蔵助!は利兵衛に問いただすと、
「自分が盗んだと言わなければ大石様の責任になりますので」これには内蔵
助心をうたれ、内蔵助と利兵衛のつながりは更に深くなった。
 
 突然の浅野内匠頭の切腹、赤穂藩城明け渡し、全員が浪人、そして浅野家
再興が認められず、結果討ち入りをしますが、手持ちの金に加え什器等家宝
といわれる珍品・名品も多く、この天野屋利兵衛の存在が赤穂浪士の討ち入
りを支えたことは確かである。
 
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◉菜の花メッセージ
《高次脳機能障害支援に関わる方々からの応援メッセージ》
 
        「ライフステージに応じた支援のために」
 
                千葉リハビリテーションセンター更生園
                        支援部長 篠原 正倫
 
 児童期から成人期まで、さまざまな高次脳機能障害の方、ご家族と関わる
中で、ライフステージや症状の違いなどによって、そのニーズは多岐にわた
ると感じています。児童期は教育や放課後活動のニーズが高く、青年期~成
人期になると、職業や社会生活のニーズが高くなります。医療や経済につい
ては、普遍的なニーズです。また、入学、卒業、就職、単身生活、結婚、病
気、家族構成の変化など、人生の節目にはニーズ量が高まる傾向にあります。
 
 相談窓口や支援機関を利用している方も多いと思いますが、信頼のおける
家族以外の支援者を1人つくっておくことは大切です。支援者としてまず考
えられるのは、相談支援専門員やケアマネージャーです。行政職員や各福祉
サービス事業所の職員も支援者となります。ご本人やご家族と良好な関係を
築き、信頼できる支援者は、ご本人のことをよく理解したうえで、学校や職
場、市役所や病院などへ同行支援等を行い、必要に応じて地域の支援機関と
連携します。一人の支援者が複数の支援者を生み、支援機関をつなぎ、ライ
フステージの変化に応じた、継続的な支援体制が築かれていきます。
 
 私は現在、更生園という障害者支援施設で仕事をしています。更生園では
高次脳機能障害の方に、「生活訓練」や「就労移行支援」というサービスを
ご利用いただいています。ご本人のストレングス(強み)を生かせるような
支援を行い、社会生活力が向上することで、できることが増え、行動範囲が
広がり、自立生活につながります。これからも、高次脳機能障害者の支援事
業所として、地域とのとながりを大切に、支援やサポートを行っていきます。

 
◉支援機関の取り組み

        亀田リハビリテーション病院 最近の取り組み
 
 当院では、千葉リハビリテーションセンターと協力し、11月9日(土)に
「高次脳機能障害の生活を支えるマネジメント~生活版ジョブコーチの手法を
学びながら~」という研修会を安房地区で開催しました。当院作業療法士、千
葉リハビリテーションセンターの高次脳機能障害支援センタースタッフが講義
しました。安房圏域の障害・介護のケアマネージャーを中心に14名が参加。
「高次脳機能障害の特性と対応」、DVD視聴「生活版ジョブコーチ支援の実際」
「高次脳機能障害におけるヘルパー支援の形」、グループワークを実施しまし
た。参加者から「生活版ジョブコーチを知ることができて良かった」「生活自
立支援の基本に共通する面もあると感じた」等の声を頂きました。

         千葉県千葉リハビリテーションセンター 高次脳機能障害
         支援普及事業広報誌《こ〜じのぅ掲示板39号》から
 
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   「ノーベル賞」
 
 今話題のノーベル賞ですが、このノーベル賞を作るきっかけになったのがノ
ーベルの兄の死でした。新聞がノーベルが亡くなったと勘違いをして、報道し
たときその紙面には「死の商人 死す」の文字。これに驚いたノーベルは自分
の死後どのような評価がされるのか気になり、その思いから遺産をつぎ込みノ
ーベル賞を作ったというのは皆さんもご存知ですね。
 
 このアルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトという画期的な爆弾を開発し
て巨万の富を得ます。今まで使われていた爆弾よりも扱いやすく、世界中の採
掘現場で使われることになりますが、ノーベルは兵器としても使われることは
想定済みでした。「平和利用のみに限る」と思っていても、ダイナマイトを手
に入れた側が戦争に使用することに無念の思いだったのではと推察します。

 
 さてノーベル賞ですが、受賞者へは賞状とメダルと賞金が与えられます。受
賞者に与えられる賞金は、ノーベルの遺言に基づき、彼の遺産をノーベル財団
が運用して得た利益を原資としています。ただし「経済学賞」は1968年に
創設され1969年から授与されますが、その原資はスウェーデン国立銀行の
基金によるため、この賞は正式名称を「アルフレッド・ノーベルを記念した経
済学におけるスウェーデン国立銀行賞」としており、厳密にはノーベル賞
には含めないようです。
 
 そこで気になる賞金は、過去幾度も変動してきたようですが、ノーベルは遺
産を安全な有価証券にすることを指定しており、2001年から賞金額は
1,000万スウェーデン・クローナ(約1億円)のようですが、現在は過去
10年間にわたって運用益が予想を下回ったことなどを理由として、2012
年のノーベル賞受賞者に贈る賞金を2割少ない800万スウェーデン・クロー
ナ(約8,900万円)とすることを決めたようです。
 
 もらう金額が下がると我々などはぶつぶつ言いたくもなりますが、そこは受
賞者の名誉ですから皆さん喜んでいますね。それに貰ったお金は開発資金とし
て後継者に託されることも多く、日本においてはノーベル賞の賞金は非課税と
なっています。私だったら世界一周して温泉にいって美味しいものを沢山食べ
て、…なんていうところには賞金どころかノーベル賞も来ません。30年後の
ノーベル賞を期待して今からでも何か研究してはいかがですか。
 
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   「12月と言えば」
 
 今年もカレンダー最後の月になりました。12月と言えばもちろん第9です
よね。第一次世界大戦当時、中国での戦いで日本に敗れたドイツ兵が徳島県板
東町(現在の鳴門市)の板東俘虜収容所に収容されたことは皆さんご存知だと
思います。今から100年前の1918年6月1日、満足な楽器もない中でベ
ートーヴェンの交響曲第9番がアジアで初めて演奏されました。
 
 年末に第9の演奏会が行われるのは日本だけのようで、楽団員の皆さんのボ
ーナスとの話も聞きます。今では「やはり年末は第9だよ」が定着しています。
この第9、第1楽章~第4楽章まであり、全体では「人類はひとつ」の思いが
あるようです。
第1楽章 「すべての出会い」
第2楽章 「守りつづけた人々」
第3楽章 「新たな世代」
第4楽章 「歓喜の歌」
日本で最も人気が高い作曲家の一人であるベートーベンは、音楽を貴族のもの
から、市民のものへと解放し、市民革命の時代のさきがけであるとも評価され
ています。来年2020年はベートーベン生誕250周年になります。音楽界
では特別企画もあるようですから、いろいろ聞きに行って見てはいかがですか。
オリンピックもありますので楽しみですね。
 
 さて、今年もいろいろお世話になりました。来年もお世話になりますので覚
悟していてください キャーアハハハ!
 
 良い年をお迎えください。
 
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  「今月の貴方に贈る言葉」
 
  「人々の為に曲を書く時のほうが
      そうでない時よりもずっと美しい曲を書く時ができる」
 
             ルートヴッヒ・ヴァン・ベートーベン (作曲家)
 

今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp