南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2021 南房会ストック12月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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今後の予定
 
・2022年1月15日(土) 午後1時30分~
         家族会定例会 沓見楽市座
 
・1月14日(金)~27日(木)期間中いつでも
         第18回高次脳機能障害リハ講習会〈Web開催〉
 
・1月19日(水)当事者・家族のための高次脳機能障害勉強会
         〈Web開催+集合〉
         詳細は千葉リハホームページに掲載
 
・2月1日(火)~7日 第5回高次脳機能障害就労支援研修会
         および職業リハビリティーション研修発表会〈Web開催〉
         詳細は千葉リハホームページに掲載

・2月19日(土) 午後1時30分~
         家族会定例会 沓見楽市座
 
・3月19日(土) 午後1時30分~
         2022年度 家族会総会 沓見楽市座 
         
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   「論語」
 
 最近何かと「論語」を聞く機会があります。NHKの大河ドラマで渋沢榮一
の物語「青天を衝け」で、渋沢栄一が人生の指針として取り上げた書物だそう
ですが、この「論語」ってどんな本でしょうか? 紀元前5世紀、春秋時代と
言いますから三国志で有名な戦国時代末期ですかね。日本では飛鳥時代です。
孔子(こうし)という方の言行録で、当時、魯(ろ)の国の法務大臣の職に就
いていましたが、思うところがあり辞めて、晩年は故郷に戻り後進の育成に専
念したそうです。弟子の数がおよそ3,000人もいたとか驚きますが、孔子
の死後弟子たちの手で「論語」として世に出されたようです。
 
 中国春秋時代(戦国時代)と言えば、三国志で出てくる軍師、諸葛孔明(し
ょかつこうめい)ですが、孫氏の兵法を学び戦の勝利に貢献することは皆さん
ご存知ですね。その戦い方は「戦わずして勝利!」が基本です。相手の陣に密
偵を送り込み、裏切りや分裂の噂を流し内部を混乱させ、いざ決戦の時はすで
に相手は戦意を失い勝利する。まあ戦国時代ですから親兄弟・戦友などはすで
に敵ですよね。ところがこの論語、同じ春秋時代でも孫氏の兵法とは逆の親兄
弟に対する愛情を中心に、段階的に範囲を広げやがて全国の民を一家とする秩
序を築き上げることを目標にしています。
 
 日本の戦国時代は、小田原の北条早雲あたりからでしょうか、下剋上という
天下取りの動きで、油売りのマムシの道三や百姓の秀吉、名もなき武士が名乗
りを上げますが、秀吉から家康に天下が移ると孫氏の兵法から論語に移り、戦
国時代から学問の時代に様変わりします。孔子が教えたのが、礼・楽・射・御
・書・数の六芸で、この六芸すべてで優秀だった弟子が72人もいたそうです。
この六芸と聞いて「ん?」と思った方、さすが南房総に深い関心がある方です
「南総里見八犬伝」の仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八個の玉、作者の滝
沢馬琴もこの論語を学んでいたんでしょうか。一つひとつの玉では弱く魔物に
なかなか勝てませんが、8個揃うと最強の魔王も倒せる力になる。8個揃うと
人間として正しい道を歩むことが出来る。そんな方が8人ではなく72人もい
たんですから凄いですね。
 
 この論語、十巻二十編からなりほとんどが短い言葉の集まりで、読み手によ
りいかようにも解釈可能な場合があるようで、愛読書として論語を学んだ渋沢
栄一も、倒幕から一転将軍の側近になったり、大蔵官僚を辞して実業界へ歩み
出すなど優柔不断な面もありましたが、それでも人生経験を積み重ねる中で若
い時に出会った論語が生きてきたんでしょうね。官僚や民間、実業家や雇われ
る人など立場は人それぞれ違いますが、500もの会社を作った渋沢栄一のよ
うに、どう社会に貢献するのかをこの論語で学んではいかがでしょうね。 
 
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千葉リハビリテーションセンター 高次脳機能障害支援普及事業広報誌
「こ~じのう 掲示板45」より
 
 「千葉県高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業について」
 
                   千葉県健康福祉部障害者福祉推進課
                           課長 大野 義弘
 
 日頃より本県の障害者福祉施策の推進にご理解とご協力をいただきまして、
御礼申し上げます。今年4月に障害者福祉推進課長として着任した大野義弘と
申します。
 
 さて、本県では、千葉リハビリテーションセンター(千葉市)、旭神経内科
リハビリテーション病院(松戸市)、亀田リハビリテーション病院(鴨川市)
の3箇所において高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業による
支援拠点を設置し、高次脳機能障害のある方への機能回復・社会復帰に向けた
訓練、就労支援、情報発信、研修等を行ってまいりました。あわせて、各支援
拠点機関に支援コーディネーターを配置することで、地域特性を踏まえた、よ
り身近な相談窓口としての体制を整備してきたところです。
 
 令和2年度より、新たに総合病院国保旭中央病院(旭市)に支援拠点機関を
設置し、4箇所の支援拠点機関を中心に、高次脳機能障害に対する理解の普及
啓発を図るとともに、高次脳機能障害のある方及びその家族が早期に専門的な
相談支援につながるよう各地域におけるネットワークの拡大・強化に取り組ん
でおります。
 
 高次脳機能障害は、身体的な後遺症がない場合、外見から障害が分かりにく
く、障害の内容や程度も様々です。各支援拠点機関において、支援経験や実績
が培われ、普及啓発や研修などを進めて行く中で、高次脳機能障害に関する理
解や支援協力機関の輪が着実に広がっているところではありますが、高次脳機
能障害のある方の地域生活の安定や就労定着等に向け、さらなる体制の充実が
必要であると考えています。
 
 今後も、高次脳機能障害のあり方が、地域において、その人らしい生活を送
ることができるよう支援の充実に努めてまいりますので、引き続き、御理解・
ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
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   「日本沈没」
 
 TBSで放映された「日本沈没」。なんと衝撃的な題名ですね。
かなり前でしたか1973年に映画化されて見た記憶がありますが、その時は
「SF小説の映画化、原作小松左京」で、ただ映画を見たというだけでしたが、
今回は地殻変動だけではなく「地球温暖化」も関係する設定ですから、さて?
現在の気温が1・5℃上昇したらどうなるか。地球全体の気候システムに影響
が出て、場所によっては干ばつや豪雨災害、北極の氷も解け海面上昇で海水の
重さも加わって海底のプレートにも影響を及ぼし、まずは関東が沈み……。
 
 ところが、SF小説ではなく現実として実際に「日本沈没」が起こってる…
としたらどうでしょう? 富士山の噴火もない南海トラフの地震もない、日本
の国土には何の変化もありませんが、現在の日本が沈む最大の問題となってい
るの少子高齢化による人口減少です。離島はもちろんですが、本土の山や田畑
は管理もできず、故郷は限界集落となり、ひとたび豪雨ともなれば道路は寸断
され陸の孤島に。外国の漁船団が嵐で緊急避難的に本土の漁港に避難しても、
それを迎えるのは高齢となったわずか2〜300人の人たち。
EUやアメリカでもいきなり押し寄せる大量難民に苦慮していますが、他人事で
はありません。
 
 今回の日本沈没というドラマ、多くの問題提起をしているように思います。
人口減少に歯止めをかけるには、地域活性化や子育て支援等に本気で取り組ま
なければなりません。「子供は国の宝」とは言いますが、今年生まれた子供が
国を背負って生きるのは2〜30年先になります。各国の脱炭素の目標が国に
よっては30年~50年先ですから、おそらくその時地球は現在より2℃くら
い高くなっていると思われます。数年後の日本は、台風・豪雨・干ばつなどが
ピークを迎えて手遅れかも知れません。子孫につけを回さないためにも、今が
大切な時ですね。
 
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 さて、今年もあとわずかですね。2020年・2021年と新型コロナに振
り回された2年でした。五輪・パラリンピックも1年延期され、それでもやる
の中止だのと大騒ぎ。いざ開催ともなれば連日のメダルラッシュでマスコミの
スポーツ欄は枠を拡大しての報道。あの騒ぎはいったい何だったのか。南房総
の家族会もボッチャのチケットを取り皆さんと応援に!と楽しみにしていまし
たが、結局無観客の開催になってテレビ観戦でした。
 
 高次脳全国大会も今年はWeb開催になり、亀田リハビリテーション病院に
集合して参加しました。通常の開催であれば会場は熱気ムンムンで、久しぶり
に会って積もる話もあったでしょうが、Web開催ですから画面を通しての話
に物足りなさもありました。なかなか全国大会に参加出来ない会員には良かっ
たと思います。「高次脳機能障害支援法」の成立をめざす意気込みは会員の皆
さんに伝わったと思います。
 
 昨年・今年と南房総の家族会は、総会で決定した取り組みがなかなか出来ま
せんでした。リハビリティーション講習会も新型コロナ感染拡大防止で決まら
ず、会員相互の交流と親睦を兼ねたマザー牧場小旅行も中止、家族会の運営費
捻出や他団体との交流を目的に行ってきたイベントやバザーも中止になり、開
催会場も閉鎖ですから困りました。でも家族会定例会だけは何とか開催できま
して、11月の定例会では新しい会員も参加していただき皆さん喜んでいまし
た。
 
 新型コロナの感染状況も11月に入り収まりつつあり、このままいけば12
月には終息宣言も…との話も出ていましたが、突然のオミクロン株の出現に世
界中が驚きました。なんとまた来年も振り回されるのかい!困ったものです。
でも家族会一丸となって、感染予防に取り組んでいきましょうね。
 
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    「今月の貴方に贈る言葉」
 
   「元気のないところに 勝ちはない」
 
                      星野 仙一(元プロ野球監督)
 
                       
今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp