南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2023   南房会ストック4月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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今後の予定

  ・5月20日(土)   家族会定例会・親睦ミニ旅行  マザー牧場(予定)

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   千葉リハ「こ〜じのう掲示板」広報誌に掲載されました
                                                                 
                            南房総高次脳機能障害家族会 家族と支援者の会
                            世話人    石黒  弘明
                                 
 こんにちは、南房総家族会の石黒です。当会発足から早15年になりますが、家族会発足はその2年前の息子の交通孝故がきっかけでした。居眠り連転の車が背後から激突、救急で病院の集中治療室から意識不明で半月後、なんとか回復しますが傷病名は「びまん性軸索損傷」いわゆる高次脳機能障害でした。当時、息子は高校卒業で、すでに勤める会社も決まっていましたが、退院できず、就職を諦めることとなり、家族としては怒り心頭で裁判へ。

 医師からは「高次脳機能障害」と言われ、障害者であれば地域の保健センターで「どのような手続きが必要なのか?」と聞きに行っても、担当者からは“高次脳ですか?”と言われてしまい話が噛み合いません。そこで、当時の千葉県知事であった堂本さん宛てに(目安箱のような知事に直接届くメールを使って)この間の経緯を伝え、「家族としてはにっちもさっちも行かない、どうすればいいのか?」と送りました。帰ってきた返事は『頑張って下さい』さて?困った!

 数ヶ月後、息子が病院からリハピリ病院へ転院しました。そこで、なにげなく目に留まったのが、新しくできた“千葉県中核地域生活支援センター”のポスター。日頃、家族で話していた「高次脳ってうちだけではないはず」という思いを胸に中核へ出向き、担当者に「家族会を作りたい」と要望したのです。その後、中核の皆さんも協力的に動いてくださり、家族会『南房総高次脳機能陣害家族と支援者の会』が正式に誕生しました。亀田リハビリ病院や医療の専門職の皆さんも活動に参加してくれました。このとき「堂本知車の返事の意味ってこれだったのか!」と思ったものです。

 その後、県内に家族会が4団体あることや千葉リハのことを知りました。当時の高次脳支援センター長であった太田さんに、「南房総は、医療の現場に高次脳を支援する場はあるが、行政の現場に高次脳支援の窓口が無いため苦戦しています」と話したところ、安房圏域の保健センターに強力に入っていただくなど最強の援軍を得たおかげで、家族会というだけで地域の中で話が噛み合うようになりました。

 千葉県の先端の人口減少の地域ですが家族会として大変感謝申し上げます。千葉県南端の小さな家族会ですが、全国の仲間に励まされてここまで来ました。今後も亀田リハビリ病院・中核生活支援センター「ひだまり」・障害者就業・支援センター「中里」・B型就労支援「大丈夫」の皆さんと、更に前に進んで行きますのでよろしくお願い致します。

*千葉リハビリテーション病院の皆様、広報誌の掲載有難うございました。今後も南房総高次脳機能障害家族と支援者の会をよろしくお願い致します。
      
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   再送「日本の高次脳機能障害のあゆみ」

 現在の日本の障害区分は大きく分けて、精神障害・身体障害・知的障害に分けられていますが、近年の医療現場やリハビリテーションの発展で、障害が単に精神障害の枠の中に入れられていたのが、じつは複雑な傷害の集まりである事が明らかになってきました。高次脳機能障害もその中の一つです。
 日本において高次脳機能障害の取り組みが動き出したのは、1999年にはすでに北海道にあるコロポックルという団体は、高次脳機能障害者を含め200人の当事者の支援に動いていますので、その数年前から叫ばれ始めたと言っていいと思います。それまでは高次脳機能障害という言葉はあまり使われず、失語症・失認症などと言っていたようです。 
 しかし、高次脳機能障害の患者にあっては、言語・身体障害・聴覚障害だけという一つの側面だけで見るのではなく、それらを総合的に見ていかなければ本当の支援はできないことに気付き始めます。「日本失語症学会」も「高次脳機能障害学会」と名称を変更し、高次脳機能障害が社会的にも認知されてきたことを感じ始めてきます。
 けがや病気により脳に損傷を受けた方では、回復して退院後に初めて家族から「怠け者になった」とか「人が変わった」と言われる方がいます。一見身体の障害がないにもかかわらず、社会生活や日常生活の場に戻って初めて事態が深刻であることに気付き、再度診察を受けると原因が高次脳機能障害だったということです。ここに高次脳機能障害をもつ人たちが抱える問題が あります。脳の障害に見られる症状は外見からは分かりにくく、また病院にいる間は気付かれないことから、気付いた時にはどこで支援サービスが受けられるのかよく分からず相談もできず、結果として医療や福祉の谷間に落ちてしまうということが起こります。障害者が本来受けることができる医療から福祉までの連続したケアが、高次脳機能障害では適切に提供されていないということで、近年わが国で社会な問題となりました。
 そこで厚生労働省は事業として、この問題に積極的に取り組む地方自治体と国立身体障害者リハビリテーションセンター(以下国リハ)が一緒になって、高次脳機能障害者への連続したケアを実現するために、高次脳機能障害支援モデル事業を平成13年度から5か年の予定で始めます。実施主体となる地方自治体は、北海道・札幌市、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、三重県、岐阜県、大阪府、福岡県・福岡市・北九州市、名古屋市(以上平成13年度から)、広島県、岡山県(以上平成14年度から)であり、これに国リハ が加わっています。
 各地域にある拠点施設と国リハは、高次脳機能障害者の機能回復訓練のほかに、関係する医療機関・障害者施設・家庭等と一緒になって社会復帰支援や生活・介護支援を実際に行ってみることになりました。最初の3年間(前期)では、この経験と障害者の方々の承諾を得たうえで集められたデータから、高次脳機能障害の行政的な「診断基準」「標準的訓練プログラム(案)」「社会復帰支援及び生活・介護支援プログラム(案)」が作成され、16年度と17年度の2年間(後期)では、作成した診断基準や訓練支援プログラムが適切なものであるかどうか、実際の現場で用いてみて検証されます。また、支援のためのネットワーク作りを通じて、全国に普及可能な支援体制作りが進められていきます。 
 そして、近年の高齢化で認知症の問題がクローズアップされ、日常生活が困難な認知症に対して、高次脳機能障害では日常生活は一応できるが注意を払う・計画を立てる・記憶するなど、バランスよく自分の感情をコントロールするといったことが難しくなる人が多いということがわかりました。今後は支援体制の充実に加え、ダメージを受けた脳をどう回復させるのかの医学的研究が進められています。高次脳機能障害の当事者にとっては明るい展望が見えてきました 今後に期待したいですね。
    日本で高次脳家族会が動き始めておよそ25年ぐらいでしょうか。私達南房総家族会も結成されて15年、高次脳運動の隊列に加わりました。現在は「高次脳機能障害支援法」設立に向け全国の家族会が力を合わせているところです。この波を大きくしていかなければなりません。「ひとりはみんなの為に、皆んなはひとりの為に!」を胸に更に前に進んで行きましょう。

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    「素朴な疑問」

   3月3日は雛飾り、5月5日は端午の節句とか言います。昔から無病息災を願い菖蒲湯に入るそうですが、勝負に勝つということで5月飾りは鎧・兜です。ところが近年では、大量に飾られたお雛様や川に大量に泳ぐ鯉のぼりなど、役目が終わったお飾りを見ると子供が少なくなっている裏返しですかね。川で泳ぐ鯉に圧巻ですが、どこか寂しい感じがします。

本日もご覧になっていただき有難うございました。