南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
New!
安房の国から2026 南房会ストック新年第100記念号!
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

「祝 高次脳機能障害支援法成立!特集」
****************************************

今後の予定 

1月24日(土)13時45分〜 JA共済ビル カンファレンスホール(千代田区平河町)
       「高次脳機能障害支援法成立!高次脳機能障害友の会緊急集会」
        主催 日本高次脳機能友の会

2月21日(土)午後1時~ 亀田リハビリテーション病院1階会議室
        家族会定例会

**************************************

   「高次脳機能障害者支援法」成立!!」

 「さぁ!やっとです!皆さんが待ち望んだ、皆さんの法律がついにできました!
高次脳機能障害にかかわる全てのみなさん!見えにくい障害…。制度の狭間にある
障害…。ネガティブな印象から脱却する時がきましたよ!法律を作るのは国会議員
の先生方のお力添えなくしてできませんが、法律を使いこなすのは現場の仕事です!
自覚している人は全員責任者です!私も自覚者の1人として、早速、家族会役員の
皆様に、「日本高次脳機能障害友の会緊急集会」を提案して、これからのことにつ
いて話し合える場を作りたいなぁと考えております!明るい未来に向かって!社会
の皆さんが「自分ごとに手繰り寄せる想像力」を働かせてくれることを信じて!気
合いを入れて前に進みましょう!ひとまず、法案成立にかかわってくださった全て
のみなさん!本当にありがとうございました!」

 高次脳機能障害のある弟と本会議場で成立を見守り、高次脳機能障害者や家族に
対する理解、人材育成や施策の予算化が進むことを期待する一方、現場でもしっか
り法律を生かしていきたい!
                日本高次脳機能障害友の会 理事長 片岡保憲
   
  「新年明けましておめでとうございます。」

 去年は新しい会員が増え、例会が活発化したように思えます。今年も新しい風が
吹くことを期待したいです。そして去年の12月16日に「高次脳機能障害支援法」
が成立しました。このことは、私たち家族会の「この障害を多くの人に知ってほし
い」の願いを一段と進める契機になると思っています。嬉しい限りです。
今年は、この「支援法」を軸に会を進めていきたいと思っています。そして、来年
は「南房総家族会設立20周年」です。企画・立案・実施をどのようにするのかを
皆さんで話し合い準備を進めて行きたいと思います。皆さんが健康に気をつけて、
楽しく、仲良く取り組んで行きたいと思っていますので、どうぞ今年もよろしくお
願いいたします。
                             会長 石黒 裕美

**************************************

  (厚生労働委員会)

高次脳機能障害者支援法案(衆第一〇号)(衆議院提出)要旨
 
本法律案は、高次脳機能障害者に対する支援に関し、基本理念を定め、
国等の責務を明らかにするとともに、地域での生活支援、相談体制の整備
高次脳機能障害者支援センターの指定等について定めようとするものであ
り、その主な内容は次のとおりである。

一、この法律において「高次脳機能障害」とは、疾病の発症又は事故によ
る受傷による脳の器質的病変に起因すると認められる記憶障害、注意障害、
遂行機能障害、社会的行動障害、失語、失行、失認その他の認知機能の障
害として政令で定めるものをいう。

二、基本理念として、高次脳機能障害者に対する支援は、高次脳機能障害
者の意思を尊重しつつ高次脳機能障害者の自立及び社会参加の機会が確保
されること並びに高次脳機能障害者が個人としての尊厳を保ちつつ他の人
々と共生することを妨げられないことを旨として、行われなければならな
いこと等を定める。

三、国は、二の基本理念にのっとり、高次脳機能障害者に対する支援に関
する施策を策定し及び実施する責務を有するとともに、その責務を遂行す
るに当たっては、高次脳機能障害者に対する支援に関する施策を総合的か
つ計画的に策定し及び実施するため必要な措置を講ずるものとする。

四、政府は、高次脳機能障害者に対する支援に関する施策を実施するため
必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。

五、国及び地方公共団体は、高次脳機能障害者が、その希望に応じて、地
域において自立した生活を営むことができるようにするため、高次脳機能
障害者に対し、必要な支援に努めなければならない。

六、都道府県知事は、地域の高次脳機能障害者支援業務を、高次脳機能障
害者支援センターに行わせ、又は自ら行うことができる。

七、都道府県は、専門的に高次脳機能障害の診断、治療、リハビリテーシ
ョン等を行うことができると認める病院又は診療所を確保するよう努めな
ければならない。

八、都道府県は、高次脳機能障害者及びその家族、学識経験者その他の関
係者並びに医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関
及び民間団体並びにこれに従事する者により構成される高次脳機能障害者
支援地域協議会を置くよう努めなければならない。

九、この法律は、令和八年四月一日から施行する。

**************************************

  「高次脳機能障害者の支援の流れ」

・急性期は、疾患そのものに対する治療が優先される。医師が患者に対して、高次脳機
能障害についての説明を行う機会がないこともある。しかし、意識障害のない軽度な例
では、高次脳機能障害の存在が疑われる場合、高次脳機能障害についての説明及びリハ
ビリテーションが行われる。

・回復期は、脳損傷に起因する身体障害及び高次脳機能障害の回復を促すリハビリテー
ションが展開される。なお、急性期病院から回復期病院に転院することなく、外来診療
(医療保険)や介護保険でのリハビリテーションに移行するケースやリハビリテーショ
ンを受けないケースもある。この時期には、医療機関での診療を受けるための医療費
や、休職・退職に伴う休業補償等の支援を利用することも想定される。

・生活期には、在宅生活を送るための生活支援サービスや、就労・就学等の社会復帰の
ための支援が活用される。この時期には、障害福祉サービス・地域生活支援事業や介護
保険サービス、障害者手帳、障害年金等の支援を利用することが想定される。障害福祉
サービス、介護保険サービス、障害者手帳についての詳細は次節以降で後述する。障害
年金は、初診日から1年6か月が障害認定日となるため、障害年金を受給できる可能性
がある場合、医療機関や支援者は、この時期に外来受診及び評価がなされるように支援
することが望ましい。

「多くの場合で、高次脳機能障害はゆっくりとある程度まで回復していく」ということ
を認識しながら支援をすることが重要である。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

  「市区町村の支援について」

 障害福祉サービスの利用申請は、市区町村の障害保健福祉主管課の窓口で受け付け
る。障害支援区分の認定は、認定調査の結果と医師意見書により、区分認定審査会を経
て決定される。介護保険のように、要介護度が低いと利用できるサービス量が少なくな
るということはないが、身体障害のない高次脳機能障害者の場合、日常生活における困
り感が、80項目の認定調査では把握しきれない内容も多いため、障害特性を把握しつ
つ特記事項等に記入する。そのためにも、認定調査員が高次脳機能障害の特性を理解し
ておくことが重要である。

 高次脳機能障害に特化したサービスはないが、障害福祉の視点からのリハビリテーシ
ョンとしては自立訓練(機能訓練)、生活の再構築のためには自立訓練(生活訓練)、
就労や復職の支援としては就労移行支援などの利用が考えられる。高次脳機能障害への
支援が期待できる地域の社会資源を、支援拠点機関等が作成したリーフレットなどから
把握し、情報を提供する必要がある。

 障害支援区分認定・障害福祉サービス支給決定に関しては、精神障害を事由とする
場合は、精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療受給者証(精神通院医療)、医師の
診断書(原則として主治医が記載し、国際疾病分類ICD-10コードを記載するな
ど精神障害者であることが確認できる内容であること)の提出があった場合に、申請
に対応する。

 身体障害を事由とする場合は、身体障害者手帳の提出があった場合に、申請に対応
する。

 高次脳機能障害者が急性期や回復期の入院生活から地域生活に円滑に移行するために
は、必要な障害福祉サービスが早期から利用できることが重要である。市区町村は、厚
生労働省の要綱や通知等を踏まえ、適切に障害支援区分認定・障害福祉サービス支給決
定を行う。

 例えば、高次脳機能障害の特性の一つとして、障害者本人が高次脳機能障害を理解す
ることが難しいことや、困り感をうまく伝えられないことがあり、家族や支援者にも聞
き取りを行うことが重要である。

 精神障害を事由とする障害福祉サービス支給においては、精神障害者保健福祉手帳や
自立支援医療受給者証(精神通院医療)、医師の診断書(原則として主治医が記載し、
国際疾病分類ICD-10コードを記載するなど精神障害者であることが確認できる内
容であること)の提出があれば対応する。なお、精神障害者保健福祉手帳の交付申請の
際に提出される診断書とは異なり、障害福祉サービスの利用申請の際に提出される診断
書の作成日については、経過期間の制限はない。

 高次脳機能障害者の多くが要介護認定の対象となっていると考えられるが、本人にと
って適切な支援・サービスが提供されることが重要である。 特に、訓練系・就労系障
害福祉サービス(自立訓練(生活訓練)・就労移行支援・就労継続支援・就労定着支援)
は介護保険に該当するサービスが無いため、就労等を目指す高次脳機能障害者によって
活用されることが考えられる。介護保険に同等のサービスがある場合、障害福祉サービ
スより優先されるが、市区町村の判断に委ねられる部分もある。

 「地域の支援体制」

 地域によって社会資源の量や質、当事者や関係機関が抱える課題やニーズは大きく異
なるため、それぞれの地域において「課題の把握」及び「課題への対処」のPDCAサ
イクル(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善))を推進して
いくことが不可欠である。

 そのために、連携会議において、各関係機関及び当事者の間で域内の支援の課題やニ
ーズを共有するとともに、それらへの対策を議論することが重要である。(自立支援)
協議会を活用し、地域の障害福祉に係る課題を集約する中に、高次脳機能障害に関する
ニーズ把握を含めておくことは重要な視点である。それは、域内の支援体制整備の取組
の推進や、関係者間の連携・ネットワークの強化につながりうる連携会議に参加する。

 また、地域の社会資源の現状を把握し、不足する支援の創出を検討する際には、障害
者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所のみならず、当事者間で悩みや困難を感
じた経験を共有し、支援し合うピアサポート活動の場である当事者会や家族会の立ち上
げ、認知症カフェのように気軽に集まれる居場所づくり、失語症者向け意思疎通支援者
の派遣事業等も視点に加えて検討していくことが望ましい。

****************************************

 「高次脳機能障害者の支援 疑問あれこれ」

 「高次脳機能障害は良くなるの?」
 脳損傷の後、病院での治療やリハビリテーションによって、身体機能や高次脳機能は
一定回復します。病院でのリハビリテーションが終わると、もう良くならないのかと不
安に感じると思いますが、高次脳機能障害のリハビリテーションは実際の生活に戻って
からが本番です。生活の仕方によって、長期にわたってまだまだ変化していきます。脳
に傷があるので、完全に元どおりというわけにはいきませんが、新たに工夫を取り入れ
ながら自分でできることを増やしていく、できることから取り組んで少しずつ生活を広
げていくことが、高次脳機能障害のリハビリになります。

 「高次脳機能障害の診断を受け、退院後、利用できる制度ってあるの?」
 原因疾患や年齢により、障害者総合支援法に基づくサービスまたは介護保険法に基づ
くサービスを利用できます。
 ●障害者総合支援法に基づくサービス
 障害のある方が安心して日常生活や社会生活を送ることができるよう介護給付(ホー
ムヘルプ、短期入所、施設入所支援等の介護の支援)、訓練等給付(就労移行支援、就
労継続支援、自立訓練、グループホーム等の訓練等の支援)、地域生活支援事業(ガイ
ドヘルプ、日帰り短期入所、訪問入浴サービス、日常生活用具給付等)のさまざまなサ
ービスがあります。
 ●介護保険法に基づくサービス
 日常生活に不安があり、介護サービスを利用したい場合は、訪問介護、訪問看護、通
所介護、福祉用具の貸与、福祉用具購入費の支給等のさまざまなサービスがあります。
保健福祉センターの各窓口へお問い合せください。

 「高次脳機能障害って、障害者手帳はとれるの?」
障害者手帳の種類は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳があります。
高次脳機能障害により、日常生活や社会生活に制約がある場合は、「器質性精神障害」
として、精神障害者保健福祉手帳を取得できる可能性がありますので相談窓口へ。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 さて、2006年に制定された障害者自立支援法は、障がいのある方の自立支援に向け
て大きな役割を果たしてきました。しかし、制度の利用にあたっては、障がい程度区分の
判定やサービスの種類など、たくさんの課題も残されていました。そこで、新たに障害者
総合支援法が2013年に制定され、さらに、二度にわたり改正が行われ、2018年と
2024年に施行されています。2018年の改正では、地域で安心して暮らせるよう生
活と就労に対する支援が充実し、2024年の改正では内容がさらに強化されました。障
害者総合支援法は、障がいのある方の自立支援において重要な役割を果たしています。し
かし、制度の利用にあたっては、まだ改善点もあります。

 特に高次脳機能障害に関しては、1990年代頃より交通事故や脳卒中等、様々な原因
によって脳損傷の後遺症が叫ばれ始めるが外見からはまったく健常者と変わらないために
医療やリハビリ、福祉サービスにつながらず、「見えない障害・福祉の谷間」と言われて
いました。そこで厚生労働省では、2001年に高次脳機能障害支援モデル事業を5年に
わたって脳損傷者のデーターを慎重に分析した結果。「記憶障害・注意障害・遂行機能障
害・社会的行動障害」などの認知障害を主たる要因として、日常生活及び社会生活への適
応に困難を有する一群がある。これらについては生活支援等が確立しておらず早急な検討
を有す。これらの者への支援対策を推進する観点から、この一群が示す認知障害を「高次
脳機能障害」と呼び診断基準が作られます。

 すでに障害者総合支援法が進められている中での新たな障害のため一般に認知度が低く
行政の対応にもバラツキがある。そこで当事者家族や支援する側は「高次脳支援法」を広
く訴え「見えない障害・福祉の谷間」解消に向け運動を進め、2025年12月6日衆議
院において全会一致で可決成立。12月16日参議院において全会一致で可決成立!。
2026年4月1日より施行となりました。南房総家族会では、この法案成立で早速1月
より安房圏域(館山市・鴨川市・南房総市・鋸南町)の保健センターに支援法成立の報告
と新年のご挨拶にお伺いしましてねぎらいの言葉をいただき、今後の当事者家族にご支援
をお願いしてきました。この支援法がスムーズに動くためには多くの関係機関が一致協力
していかなければなりません。家族会では支援団体の皆さんの協力もいただき広く安房地
域に高次脳機能障害を理解していただけるよう活動して行きますのでよろしくお願いいた
します。

今日もご覧いただきありがとうございました。