南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2020 南房会ストック8月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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7月の定例会の内容 
         見学者の参加がありました。 参加17名
        
今後の予定
    8月15日(土) 定例家族会  
    9月 2日(水) 宿泊研修
 
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 千葉県千葉リハビリテーションセンターより
 高次脳機能障害支援普及事業広報誌「こ~じのう掲示板」をいただきました。
 
 「これからの高次脳機能障害支援センターについて」
 
                    千葉県千葉リハビリセンター
                       センター長 菊池 尚久
 
 みなさんこんにちは。本年4月からセンター長に就任した菊池尚久といい
ます。よろしくお願いします。
 
 ご存知のように高次脳機能障害支援センターは当センターが国の高次脳機
能障害支援モデル事業の地域拠点に指定されてから長年にわたり県の指定機
関として活動してきました。千葉県全域において、高次脳機能障害で困って
いる方々やそのご家族に対して、障害をご理解いただき、障害に対していか
に対応すべきか、地域での活動や就学・就労に向けてどのように進めて行け
ばよいのかなどを個別支援、グループ訓練、研修会や講習会の開催などを通
して進めてきました。
 
 おかげさまで相談件数は年々増加しており、千葉県全域の方々に対して直
接的に支援するだけのマンパワーが厳しくなってきています。また、千葉県
は広域で当センターまで来ていただくのにかなり遠方な場合もあります。こ
のような状況の中、今年度、従来の地域支援拠点機関旭神経内科リハビリテ
ーション病院、亀田リハビリテーション病院に加えて、新たに国保旭中央病
院が地域支援拠点機関に指定されることとなりました。私共としては直接支
援を継続するとともに、これらの病院を後方支援して活動したいと思ってい
ます。また、我々が今まで取り組んできた内容を振り返り、より効果的で効
率的な支援を行えるようにデータベースの構築を始めることにしました。
 
 これからも高次脳機能障害でお困りの方に対して、直接的に間接的に全力
で支援を続けて行きたいと考えておりますので、今後とも皆様方の当センタ
ーに対するご支援ご協力をよろしくお願い致します。
 
 総合病院 国保旭中央病院
 今年度より海匝・香取圏域の支援拠点機関として指定を受け、活動するこ
ととなりました。当院は千葉県北東部から茨城県南東部を医療圏とする自治
体病院であり、昭和28年の開設以来、地域医療を担う中核病院として発展
してきました。今後は、関係機関とも連携しながら、高次脳機能障害者への
支援に関する取り組みの普及・啓発をさらに推進していきたいと考えており
ます。どうぞよろしくお願いいたします。
 

 
 現在、南房総家族会には夷隅地域からの家族が参加しています。いずれは夷
隅地域でも家族会が出来ればと願っています。今回、国保旭中央病院の支援機
関の創設で高次脳機能障害支援の輪がまた広がりましたね。国保旭中央病院の
皆さま、よろしくお願い致します。
 
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   「高次脳機能障害支援法」
 
 先日FRIENDSHIPナナ(NPO法人脳外傷友の会ナナ)より会報
をいただきました。その中で高次脳機能障害相談支援コーディネーター瀧澤
学様より「高次脳機能障害支援法を目指して」のお話がありましたので紹介
いたします。
 

 日本高次脳機能障害友の会としましては、更に高次脳機能障害がある人と
その家族が生活しやすくなる社会を目指して「高次脳機能障害支援法」の成
立を目指しています。その理由は3点あると思っています。
 
 1点目、医療と福祉をつなぐことです。現在、診療報酬制度に入退院時支
援加算というものがあり、入院時に適切な目標設定を行い、在宅制度に戻る
際に介護保険期間や障害福祉機関と連携して、適切な情報提供を行うことで
加算がとれます。しかし、原状は高次脳機能障害に必要な神経心理学検査を
行い、その結果や行動観察に基づいた情報を地域に提供している医療機関は
ごくわずかです。そこで、高次脳機能障害に関する適切な評価を行い、地域
に情報提供を行った場合に医療側と地域側の双方が報酬を得られる「高次脳
機能障害情報提供加算」のようなものを創設する必要があると思っています。

 2点目、地域での支援者の育成者です。高次脳機能障害の方が利用する制
度として、障害者手帳や障害年金の申請がありますが、その他自立支援医療
(精神通院医療)、医療保険、労災保険、自動車保険、雇用保険、介護保険
制度との併用等、多様な制度を利用する必要があります。制度利用には、そ
れぞれ窓口が異なり、様々な手続きや関係書類を用意することが求められま
すので、そのような情報を包括的に把握して、助言できる者の育成が望まれ
ます。あるいは、高次脳機能障害がある方は、退院した際には一人で生活す
ることも危うい状態ですが、1・2年が経過する中で復職や新期就労を考え
ることができるほど回復します。生活リズムを安定させる時期に当たる在宅
生活初期は就労継続支援B型や地域活動支援センターを利用して、週20時
間以上の通所作業が安定して出来るようになり就労を目指すことができるぐ
らいに回復した段階では、就労移行支援や障害者職業センター等の利用や評
価支援が望まれます。このように変化していく本人の障害状態や目的に合わ
せた適切な支援環境の説定や支援プログラムの策定や助言も重要な支援の要
素となります。そのような助言ができる専門職を育成するために、専門研修
事業を行ったり、その専門研修を受講した支援者が高次脳機能障害のある方
を支援した際には「高次脳機能障害支援加算」を認めたりすることが必要と
考えます。
 
 3点目、「親なきあと」の単身生活者(家族からの支援が難しい方)への
支援です。高次脳機能障害の方は退院当初単身生活が難しい方が多く、実家
に戻るケースが多く見られ、そのまま親と同居を続けていく方がおいでです
が、最近は親亡き後問題に直面する機会が増えてきました。あるいは、単身
生活を継続する方もおいでで、障害福祉サービスを利用している間は支援者
に相談したり、助言を受けたりすることができますが、就労すると途端に支
援が途絶えてしまう現状があります。その事によって、悩みを誰にも相談で
きずに仕事を辞めていたり、医療機関受診の手続きの場面で難渋したりする
場合もあります。現在、単身生活者を定期的に訪問や同行支援によりサポー
トする「自立生活援助」がありますが、単価が低く、支援をしている事業所
はごくわずかです。高次脳機能障害がある方を地域で包括的に支援するため
に、このような制度を効果的に利用できる支援体制を作ることが望まれてお
り、その実現を後押しすることが家族会の役割ではないでしょうか。
 

 「高次脳機能障害支援法」という言葉を聞いて「高次脳機能障害者を支援
する法律の制定なんだからいいんじゃないの」とは言ってはみましたが、さ
て?「高次脳機能障害支援法」って何?と漠然として次の言葉がでてきませ
んでした。ですが瀧澤様の話を聞いて家族会でこの「高次脳機能障害支援法」
の話が出来ます。今後徐々に具体化に向けて論議はされるでしょうが、まず
は第1歩を踏み出すことが出来そうです。瀧澤様ありがとうございました。
 
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   「宿泊研修」
 
 新型コロナの真っただ中ですが、自宅での感染予防は大切です。ただ、こ
れだけ長引くと皆さんのストレスも限界で、高次脳機能障害者を抱えている
家族の皆さんは大変です。そこで今回、南房総地域にあるホテルや旅館の感
染予防対策を学びます。ホテルや旅館で感染者が出れば即閉鎖になるでしょ
うから、大変な苦労があるでしょうね。従業員の皆さんに感染予防対策など
も聞ければと思います。また、地域貢献としての側面もあり10万円をいた
だいていますので貯金ではなく地元に還元していくためにも取り組んでいき
ます。
 
 現在の新型コロナの感染状況は、南房総地域では、南房総1名・館山1名
鴨川1名で、8月11日には館山郵便局で感染者が確認され、次の日より業
務が閉鎖され局内の消毒がおこなわれています。ただ、家族会会員やその友
人のほとんどが地元にとどまっているので感染はありません。やはり心配な
のは他県からの訪問者で、とくにサーファーの皆さんです。車のナンバーを
見ると海なし県の方が多く見受けられます。いつもであれば大歓迎ですが今
年は違いますね。お盆後の状況でホテルや旅館で相次ぐ感染にでもなれば中
止も考えなければなりませんが、この時期を乗り越え無事にホテルや旅館か
ら感染者が出なければ安心ですね。
 
 参加者には事前に注意事項を守っていただく話はもちろんですが、「感染
しない・させない」を大前提に楽しい1日を過ごしていただきたいと思って
います。今回の宿泊先のホテル・旅館名は参加者だけに伝え公表は致しませ
んが、好評であればまた行いたいと思っています。家族会も地元の皆さんに
お世話になっています。ホテルや旅館の皆さんと困難を共に乗り越えましょ
う。
       
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 8月になりました。暑い・暑い・暑いと言って、家の庭の草刈りを怠けて
いたら雑草だらけになりました。でもその中にいろんなお花が咲きました。
赤い花・黄色い花そしてユリの花、今まではそうとも知らず雑草とともに刈
っていたんでしょうね。もう咲いた場所が解りましたので、次は気を付けて
草刈りをします。
 
 水仙・アジサイ・チュウリップも咲いていますので、我が家の庭は花盛り。
9月になれば彼岸花も咲くでしょうからこれから草刈りは注意が必要です。
なにもしなくても勝手に咲いてくれるのでありがたいです。花を見て季節を
感じる…、都会では味わえないですね。新型コロナ騒動が続いてますからこ
れを機に田舎に住んでみるのはいかがですか。花を見ると心に余裕も出てき
ます。ぜひ南房総へいらしてください。
 
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   「今月の貴方に贈る言葉」
 
    「私たち看護するものにとって 看護とは
       私たちが年ごと月ごとに「進歩」し続けて
          いないかぎりは、まさに「退歩」しているといえる」
 
            フローレンス・ナイチンゲール(イギリスの看護師)
                      
 
今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp