南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2019 南房会ストック7月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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6月定例会の内容 年内の家族会の取り組みの具体化
         ・ボッチャ大会参加
         ・家族と支援者の会「視察研修 県内トップめぐり」
         ・家族会主催事業 うたごえ広場の開催
         ・高次脳支援普及事業の取り組み(亀田リハ)
         ・7月定例会で行うリハビリ体操の講師
                            参加15名
         
今後の予定  
 
・7月20日(土)家族会定例会 リハビリ体操・ボッチャの練習
         午後1時30分~ 沓見楽市座 
 
・7月29日(月)~夏空に みんなで歌声 響かせよう~
         千倉地区生涯学習推進員講座
         千倉保健センター 講師 音楽教室主宰 山口恵子氏 
 
・8月 4日(日)ともしび「夏のうたごえ喫茶 in 館山」
         主催 千葉県南総文化ホール
         チケット1,000円 貸歌集100円
         全席指定

・8月17日(土)家族会定例会はお休みです
 
・9月21日(土)リハビリテーション・ケア文化祭
         第2回ボッチャ大会 三芳農村環境改善センター
 
         第23回 千葉県ボッチャ選手権大会
         主催 千葉県ボッチヤ協会
 
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     「地域活性化 熱海視察研修」
 
 NPO法人スマイル安房では、最近にわかに脚光を浴びている“熱海が
地域を活性化させた”という話を聞き、3名で視察研修に行ってきました。
熱海と言えば、歴史も古く温泉でも有名で、尾崎紅葉の「金色夜叉」や林
芙美子の「うず潮」、「小説の神様」と言われた志賀直哉など、日本を代
表する文壇の保養所としてもよく知られています。現在の70歳前後の皆
さんは、会社の慰安旅行でお世話になった方も多いのではないでしょか。
そういう私も行きましたが、多くの旅館は人でいっぱいでした。
 
 そんな熱海が昭和40〜50年代より、新幹線の熱海駅が開業してから
別荘が乱立、まちの拡大とともに中心性が薄れ、港も埋め立てられ自然の
砂浜が消滅、まちと海との結びつきが弱まり、山側で行われてきた開発が
しだいに海側にも進み、リゾートマンション建設が加速、バブルも加わり
まち全体が乱開発の真っ只中なときにバブル経済が破綻、観光客の減少か
ら商店街はシャッターが閉まり、旅館・ホテルは閉鎖に追い込まれ、そこ
に追い打ちをかけるように建物の老朽化の壁。
 
 そこで平成19年12月、熱海市は「熱海まちづくりビジョン」を発
表。静岡県内で初めて景観法に基づく「景観計画」を策定。「観光の視点
からのまちのあり方と、都市計画や景観面からのまちづくりが互いに連携
すること。市民にとっても安全で・安心で快適なまちづくりであること。
まちの成り立ちや熱海の地形的な特徴を活かすとともに、歴史的経緯の延
長線上に展開されるものであること。そして10年先、20年先を見据え
た両者が融合した一貫性のある考え方であること。その実現のために、市
民・関係団体・行政(市・県・国)が協働し、観光客が加わり、熱海にか
かわるすべての方が一丸となって取り組む」この呼びかけに多くの方が賛
同し、熱海復活に向けて動きだします。
 
「熱海の目指すべき姿」として長期滞在型の世界の保養地
~心と体を回復させる 現代の湯治場~その実現のための4つの柱。
1、温泉中心主義 ー湯治場「熱海」の復権ー
2、もう1度行きたくなる街 -満足度アップの仕組みづくりー
3、歩いて楽しい温泉保養地 -経済効果の各業界への拡大ー
4、全員参加のまちおこし ー総合的な観光事業の実施ー
そのための行動戦略・行動体制を構築して取り組む。
 
 行動戦略=20年後のあるべき姿に向けて、目に見える取り組みをでき
るところから効果的に実現すること。実現に向けて戦略的に取り組む内容
を短期視点と中長期視点で整理します。
1、熱海駅周辺「熱海の顔」第一印象で好感を与える陸の玄関口の整備。
2、市役所・湯前神社「熱海のへそ」温泉の原点を復活させるための
  周辺整備。
3、起雲閣周辺「熱海の心」古き良きおもてなしの空間整備。
4、観光港 熱海の海の玄関口として、魅力的な空間を作り活用する。
5、海岸線 市民や観光客に愛され親しまれる海岸をめざす。

と、まあこんな感じで進めると言うことでしょうね。
 
 そこで,「まちづくりビジョン」計画を頭に入れて熱海がどう変わった
のかを見に行きました。南房総枇杷倶楽部からJRバスで東京駅まで1時間
30分、東京から熱海まで新幹線なら40分、快速なら1時間30分です
から南房総からでも手軽に行けるところですね。当然熱海からも南房総に
は来やすいと思います。
 熱海に着いて驚きます。凄い人!「東京駅かい!」改札口は人だらけ
で、駅ビルもありましたがそこも人でいっぱいでした。行ったのは火曜日
でしたがいやいや驚きました。
 
 ロータリーには送迎用のバスの列。バスに乗ってホテルに行く途中で海
岸を通ります。貫一お宮の像の周辺は砂浜もよみがえり人も結構いまし
た。歌では畠山みどりさんが「 ♪ ~貫一さん下駄で女を蹴るなんて、明治
時代でよかあったね、今じゃたちまち吊し上げ~」ええー?吊るし上げか
い!と恐ろしい歌もありました。
 
 ホテルはまちの外れで、景観を考えてのことですか海の上に建てられて
います。案内された部屋は7階の和室で落ち着いた雰囲気です。窓から熱
海の街がよく見えました。熱海は3方を山に囲まれた坂のまちですが「あ
れー?山の中腹に段々になってかなり横に広い建物があるけど、お墓です
かねー?」と従業員に聞くと「あれはマンションです」とのこと。「ええ
ー?マンションですか!」。マンションと言えばノッポの建物と思います
が、山に沿って段々に建てられているので、すべて平屋で全室から海が見
える。花火大会が年間18回行われるそうで、温泉と海と花火大会を売り
物にと考えられているようです。
 
 このホテル昨年の台風で1階のラウンジが壊され大騒ぎになりました
が、今では修理され前回よりも頑丈になっているそうです。朝食はバイキ
ング形式で食材も豊富でした。折角なので周辺を散策したが、やはり坂の
まちでした。帰りには1万歩を超えていました。
 わずか1泊で「熱海まちづくりビジョン」を検証なんてできるわけあり
ませんが、復活計画から10年ですから今後の10年が楽しみです。全国
で地域活性化の声を聞きますが、更に全国の模範となるように頑張ってい
ただきたいですね。ちなみに、外国からの旅行者も多く活性化には大きな
存在です。
 
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   「里見 義実」
 
 さとみ‐よしざね【里見義実】
 安房里見氏の祖とされる武将。室町中期、白浜に築城して安房を平定し
たといわれる。しかしその伝記は軍記物語にしか見えず、実在も確認され
ていない。
 
 あのーもしもし、この南房総地域では「NHKの大河ドラマに里見氏
を」と大々的に宣伝をしています。ところが出目(出身)もさまざまで、
戦国時代に南房総を領国とした大名清和源氏新田氏流新田義重の子義俊
が、上野国碓氷郡里見郷に住み,里見を称したのに始まる…とあります。
 
 南房総市広報6月号「里見氏をもっと知ろう」によると「長らく里見義
実が上野国里見郷の(群馬県)出身であると言っていましたが、実は「美
濃(岐阜県)の里見氏であり、関東足利氏一族の配下として安房に来た」
とあります。
 
 また別ですが、千の利休と里見が同族だった。利休の祖父は8代将軍足
利義政の側近として茶道の相手をしていた。千阿弥・善阿弥・台阿弥は8
代将軍足利義政の文化・芸術の相手としての存在だったそうです。千阿弥
は元々は田中と言って堺の商人でしたが、いつしか千阿弥を名のるように
なったようで、この千家の家系図によると、戦国時代、房総半島の戦国大
名里見と同族で、本家が里見で分家が田中氏のようです。ほんとかいな?
里見の出目は大阪?
 
 「結城合戦で嫡子義実が逃れて相模国三浦に落ち,三浦氏の援助のもと
に安房国白浜に渡り,以後房総里見氏の活動が始まったという。当時の安
房国では長狭郡に東条氏,朝夷郡に丸氏,安房郡に神余氏,平群郡に安西
氏の4豪族が分立していたが,義実は武略をめぐらせて諸豪を押さえ,
1445年(文安2)安房一国を平定したと、房総の諸軍記は伝えてい
る」とありますが、義実が実在しなければどの里見が安房国統一をしたの
か?
 
 南房総市広報の方「里見はいったい何者ぞ!」。確かに里見がいろいろ
な場所に出てくるのはそれだけ重要な存在だったのかも知れませんね。家
康は里見の家系図を利用して源氏と言ったと聞きます。この家系図が曲者
で力のある者が好きなように書き換えてしまう、広報に問題提起さすがで
す。改めて勉強させていただきありがとうございます。ですが今後市とし
て統一見解を出せないでしょうか。この地域の動向を左右する歴史的重要
な問題と思います。戦国武将「里見を大河ドラマに」が架空では大河ドラ
マにはならないと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
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   「吉永勝訓センター長のご挨拶」
 
 千葉県リハビリテーションセンターより「千葉県高次脳機能障害支援普
及事業・平成30年度事業報告書」をいただきました。内容については家
族会定例会で話させていただきます。ありがとうございました。ここにセ
ンター長 吉永勝訓様のご挨拶を掲載します。
 
 平成13年度開始の厚生労働省高次脳機能障害支援モデル事業から18
年を経過した現在では、モデル事業により定められた高次脳機能障害の行
政的診断基準をはじめ、精神障害者保健福祉手帳によるサービス利用者や
障害者雇用率の対象化と雇用率の改定、職場定着支援事業新設等と、制度
面での高次脳機能障害支援の整備が進んできています。併せて、行政およ
び高次脳機能障害支援拠点機関等による普及・啓発活動も進み、高次脳機
能障害についての社会的な認知度が徐々に上がり、関係機関による支援と
知識の広がりがみられています。
 
 そういった前進面の一方、就労・就学をはじめ社会参加における高次脳
機能障害特有の課題に対する支援の必要性はまだ多くみられます。例えば
復職・新期就労後の離職や職場定着支援が長期的に必要な数多くの当事者
の存在があります。また、介護保険対象外の当事者が日中活動の場につな
がりにくい、障害福祉サービスだけでは十分対応できない状況も多くの相
談が寄せられています。
 
 平成30年度に実施した県内半数の地域における福祉・就労支援へのア
ンケート調査では、当事者本人への対応に悩む支援者から、日常的に相談
できる支援拠点機関の増設や研修会の開催などの希望が数多く寄せられま
した。地域の支援者が高次脳機能障害への支援に取り組むために更なる支
援者支援が必要になってきています。そこで当センターではこのアンケー
ト結果を受けて、今年度から「高次脳機能障害地域支援者向け連続講座、
年5回」を企画、実施することとしています。また、専門的な支援領域別
の支援者向け研修会の開催と事業所への出張講座・研修会講師派遣、相談
支援も含めて地域の支援力向上のための活動も継続していきます。
 
 地域包括ケア時代の総合リハビリテーションセンターとして、「誰もが
街で暮らすために」という当センターの理念のもと、障害を持つ方々を地
域で支え続けておられる支援機関・支援者の皆様方と更に連携して、だれ
もが暮らしやすい地域づくり、地域共生社会の実現を目指して進んでいく
所存でございます。
 
 ここに平成30年度高次脳機能障害支援事業をまとめて報告させていた
だきました。皆様から忌憚(きたん)のないご意見をお寄せいただければ
幸いに存じます。
 
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   「地域活性化…つづき」
 
 熱海の地域活性化の取り組みいかがでしたか。歴史的にも有名な温泉と
いう原点に戻り3方を山に囲まれた地形と海を生かし、そこに大花火大会
が加わり、住民や観光客が一体となれる。「熱海は死んだね」と以前に聞
いたことがありましたが、見事な復活に感動しました。他の場所にも地域
活性化につながるヒントは沢山あります。
 
 周辺の旅館にお客さんが少ないのに、1軒だけなぜか満室だそうで、聞
くとその旅館、地下にかなり広いスペースの鉄道の線路(Nゲージ)があ
り、自分の持っている電車を走らせることがでるようで、連日親子連れで
にぎわっているそうです。また、秩父の方ではライダー歓迎のまちがあ
リ、日本中からバイクが集まるそうです。食堂はライダーにサービスがあ
って満員で、趣味が共通ですから話もしやすいのかすぐに友達になります
ね。しかし、そこで終わっていてそれ以上の広がりがないのが残念です。
 
 さて、注目の南房総地域ですが、熱海の経験をそのまま当てはめること
はできません。歴史や地域性も違うし新幹線なんて走ってはいませんの
で。国鉄がJRになるとき「全国に新幹線を」とたばこ税を上げました。で
も千葉県に新幹線は走っていません。千葉県民のたばこ税はどこにいった
んでしょうか?「責任者出て来い!!ふざけるなー!!」…古い話ですがや
られた方はいつまでも覚えています。いつかこの貸は返していただきます
ぞー!「千葉県民よ立ち上がれー たばこ税を返せー!」なんちゃって。
 
 さて、南房総地域の特色を生かし他の地域にはないものでなければなり
ません。現在館山道の2車線化が急ピッチで進められています。近い将来
冨浦インターが本格的に陸の玄関口になりますが、なぜかパッとしませ
ん。この先館山道がさらに伸びるのかです。JRでは館山駅と鴨川駅が鉄
道の玄関口ですね。以前に南房総国定公園にサイクリングロードを作ると
いう構想を聞いたことがあります。この話進んでいるのでしょうか? 内
房線に自転車を乗せてこれるようになったのは進展ですが盛り上りはいま
ひとつ。
 外房ではサーファーの皆さんが遠くから来ていますが、コンビニでは
「水着での来店お断り」との張り紙を見ます。まるで「来るな!」といわ
んばかりです。まあこれはマナーの問題もありますが。
 
 これは何を意味するのか。まさに行政・企業・関係団体・住民がバラバ
ラで勝手に決めたルールで動いている。動きに関連性もなくそれぞれが地
域活性化を叫びますが成果が出ることはありません。まだ熱海のような危
機感はないように思います。南房総地域の10年後・20年後の姿を思い
浮かべるとき、貴方には何が見えますか?
 私は20年後のこの地域に期待しています。それは「何とかしなけれ
ば」との声を聞くからです。この声が集まり沢山の人の声になって初めて
大きな動きになります。若い力に期待です。
 
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   「今月の貴方に贈る言葉」
      
 「最も強い者だけが生き残るのではない
      最も賢い者だけが残るのでもない
          唯一生き残るのは変化する者である」
 
          チャールズ・ダーウィン(イギリスの自然科学者)
 
              
今月もご覧いただき ありがとうございました  
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