南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2023 南房会ストック10月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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今後の予定
 
10月15日(日) 「きらりお楽しみ広場」フリーマーケット
          午前10時~午後4時 野島埼灯台周辺 

11月18日(土) 家族会定例会
          午後1時30分〜 沓見楽市座 
 
12月 1 日(金) 桟橋の会 朗読発表会
           午後1時〜午後3時 沓見楽市座

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今回は全国大会特集です。
 
   「全国大会参加。密度の濃い2時間でした」 
 
10月1日(日)千代田区平河町(日本の政治の中心地)のJA共済ビルで開催された「日本高次脳機能障害全国大会2023 in 東京」に参加してきました。南房総家族会から13名参加。9時30分に三芳分庁舎に集合。南房総市からマイクロバスを出してもらってスムーズなドライブ。歌や手遊びなどで盛り上がりつつ12時前に会場到着。ヒラカワチョウ!…国会議事堂のすぐ隣り、街全体が整然としてて迫力を感じます。日本の政治の中心地ですが、日曜日なのでまったく人影がありませんでした。コンビニも閉まってます。会場ビル入口で「新潟から来ました~!」という方とご挨拶。記念写真を撮ったりキョロキョロしながら会場へ。
 
以前参加した全国大会はお祭り色が強く、当事者も楽しめる交流イベントが多々開かれていましたが、今回は平河町のカンファレンスホールです。国際会議風でちょっと張緊感があります。会場は整然と椅子が450席(たぶん)。早めに着いた南房総家族会は、な、なんとど真ん中に陣地を構えました。13時開演。開会挨拶のあと、渡辺修先生(東京慈恵会医科大学教授)の公演40分。高次脳機能障害のメカニズムとその症例や社会的なケアの問題などから、高次脳機能障害者支援法の必要性へ、よどみないお話しにぐいぐい引き込まれます。あと30分延長して話していただきたい気分。
 
続いて片岡保憲さん(高次脳機能障害友の会理事長)の公演25分。この人が友の会のトップなんだ…。通信メールでお名前しか知らなかったが、お若い(40歳台)。アタマの回転早そう(イメージ)。高知の家族会所属で理学療法士、弟さんが事故による高次脳機能障害者だそうです。渡辺先生とは違う角度から、日常生活の中で高次脳機能障害がどのようにとらえられているか、そのギャップの大きさを課題として、高次脳機能障害者支援法成立の重要性をお話しされました。余談で、家族会会員の家族は高齢者が多い。40歳代で理事長なんて生意気ですよね…などとおっしゃってましたが、家族会の高齢化問題はひとごとではありません。理事長、今後ともよろしく!です。この1時間余りの公演で「今年の総会は意義があるなぁ!」感心することしきり。
 
休憩をはさんで後半は「高次脳機能障害者支援法制定に向けて」シンポジウム。が、なんとなんと、私たちは南房総市のバスをお借りしてきた手前、17時までに帰郷しなければならず、15時に会場を離れるスケジュール。自民党・公明党・厚労省などなど錚々たるゲストのみなさんがそろったシンポジウムですが、最初の深津玲子先生(国立障害者リハビリセンター顧問)の研究報告を聞いたところでやむなく会場を離れることに。もったいなかったですが、貧乏家族会としてはアシ代を節約できたことに感謝しないと、ですね。
 
ディスカッションがどこに着地したのか、気になるところです。帰りのバスでは家族会恒例ビンゴゲーム!で盛り上がりました。往復の道すがら唯一立ち寄ったのはトイレ休憩の海ほたるだけ。時間に押されつつ予定通り17時に三芳保健福祉センターに帰着しました。全体的な印象としては、支援法適用に向けて着実に前進してるなぁと実感しました。慌ただしくも有意義な全国大会でした。実行委員や理事会のみなさん、ありがとうございました。
                              稲毛 幹雄
 
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   「全国大会に参加して」
 
 今年の大会は「高次脳機能障害支援法の制定に向かって」が中心の大会でした。
 
<資料1>
話題提供「高次脳機能障害への関わりから見えてきたこと」~医療の立場から
   ~東京慈恵会医科大学付属病院 渡辺修先生のお話。
    今の医療現場の状況を伺うことができました。
 
その中で、「回復期病院退院後でも、高次脳機能障害が診断されていない。家族には、その対応方法も説明されず、復職するもうまく行かない例が多々ある」の指摘がありました。診断後の大変な時に、医療機関の理解と対応はとても重要です。
高次脳機能障害の普及の難しさを思いました。「高次脳機能障害の内容と対応方法が社会にいまだに浸透していません」「社会とは、国民・医療機関・行政機関・保健/福祉機関・教育機関・就労(支援)機関 等です」あらためてこの障害の複雑さ、困難さを「社会」に訴えて行くことが必要だと思いました。
 
<資料2>
話題提供「高次脳機能障害者への関わりから見えてきたこと」
   ~日本高次脳機能障害友の会理事長 片岡保憲理事長のお話。
 
「脳の損傷により社会で苦しんでいる高次脳機能障害者」「脳損傷後の生きにくさを考える」「高次脳機能障害の現状と浮き彫りとなっている社会的課題」の話により脳の損傷であらわれる障害が多岐にわたり、すべてが社会の生きずらさにつながっていると思いました。そして、現状の社会的諸課題の多さに大変さを思うばかりです。以上を聞いて「高次脳機能障害者支援法」の制定を社会に強く家族会のみんなで取り組んでいきたいと思いました。 
                              石黒 裕美

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   「南房総家族会へのご支援に感謝」
 
10月1日に行われた日本高次脳機能障害友の会全国大会に、南房総家族会として参加しました。近年のコロナ禍によりここ3年程Webでの開催でしたが、今年は東京で行われるということで南房総家族会としては、なんとか当事者家族の参加もと考えておりました。高次脳機能障害者の個別の参加となると難しいということで南房総市に話したところ、市のバスを貸していただけるということで当日は家族会員代表と支援団体の皆さんと行くことができました。また、JA共済ビル様の御配慮をいただき、障害者団体ということもあり、会場入り口の真横に駐車スペースを確保いただき感謝申し上げます。
 
さて、今回の全国大会「高次脳機能障害者支援法の制定に向かって」をテーマに渡辺 修(東京慈恵会医科大学) 深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター顧問  田畑 裕明(自民党 厚生労働部会長)  山本 博司(公明党障害者福祉委員会顧問)  厚生労働省 などの皆さんによる高次脳機能障害の現状やシンポジュウムなどが話し合われました。
 
特に、高次脳の原因では、脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血 等)で89%、脳外傷(交通事故 等)10%、であり、なかでも小児例では高次脳機能障害という用語が浸透していないため、脳炎・脳外傷後では「発達障害」などの診断名がある。成人例では、回復期病院退院後でも「高次脳機能障害」の診断がされていない、家族には、その対処方法も説明されず、復職するもうまくいかない例が多々ある。働き盛りの男性が倒れることで家族の負担はより深刻です。今後、重要と思われる支援では、高次脳機能障害支援法の成立・行政、福祉職による高次脳機能障害の啓発、高次脳機能障害のリハビリテーション技術の向上などがあげられていました。
 
また、厚生労働省からは、2001年高次脳機能障害支援モデル事業から診断基準の策定、そして全国に支援拠点機関の設置(千葉リハを含む10ヶ所)から高次脳機能障害支援普及事業と進み、今後は高次脳機能障害及びその関連障害に対する地域支援ネットワーク構築促進事業へと考えている。これまで発達障害支援法や医療的ケア児支援法など社会全体で支える法律の制定はあるが、高次脳機能障害支援法の制定では、全国の家族会や支援団体の更なる普及・啓発活動の充実が求められているなどの話がありました。
 
今回の全国大会、国会議事堂が見える場所での開催に、全国からの代表が集まり議員・行政の皆さんと直接顔を合わせての大会に、支援法の制定がもう目の前だ!と実感出来ました。しかし、支援法の成立で終わりではなくこの支援法を更に発展させる責任が全国の家族会にあることも感じた今回の大会でした。3年間のコロナでの全国大会開催がWebでしたので、久々にお会いした皆さんから直接の経験交流や「入り口で南房総市のバスを見たよ」などの話もあり、南房総市の力強い支援もいただいていますとアピールしてきました。
 
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    「国会議事堂」

1918年(大正7年)9月、新議事堂の全体のデザインや間取りが、一般公募され、翌1919年(大正8年)2月、応募作品118通中、一次選考・二次選考を通過した中から、1等に選ばれた案を参考に大蔵省臨時議院建設局が実際の設計を行い、デザインは大幅に変更されたが、1920年(大正9年)1月30日に原敬内閣により現在地である永田町の高台において新議事堂の建設が始まった。1923年(大正12年)関東大震災やその後の建設中の火災もあり建設は遅れるも、1925年(大正14年)12月22日に完成した。今回の全国大会が行われるJA共済ビルに行く途中での国会議事堂の雄姿に、バスの中では大歓声でした。

「あそこで必ず高次脳機能障害者支援法を成立させるぞ~!!」
 
 
本日もご覧いただき有難う御座いました。