南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2023 南房会ストック11月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

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   今後の予定
 
・11月26日(日)2023高次脳機能障害実践的アプローチ講習会
          開会 午後1時~閉会 午後4時30分
          開場 B型作業所「大丈夫」
          主催 東京都高次脳機能障害リハビリテーション講習会
          
・12月 1 日(金)桟橋朗読の会「お話の広場」 発表会 沓見楽市座 
          開場 午後1時30分 開演 午後2時~
 
・12月 1 日(金)沓見作業所「輝」直売所オープン
          午前10時
 
・12月16日(土)家族会定例会 沓見 
          「2023お疲れ様忘年会」 午後12時~
 
・12月17日(日)安房地域母親大会 富山コミュニティーセンター
          「教育ってなぁに? いま私たちに出来ること」
          開場 午後12時20分 開演 午後12時45分~
 
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   2023全国大会
   北海道脳損傷友の会・神奈川高次脳フレンドシップ ナナ様から
   感想の声をいただきました。
 
 晴れ渡る東京の空の下4年ぶりに対面での開催が実現しました。全国から300
人を越す参加者が参集されたとのこと。家族会の皆さんが対面での大会を待ち望ん
でいたのが伝わってきました。テーマは「高次脳機能障害支援法の制定に向かって」
です。一昨年、昨年と同テーマを掲げ、なぜ法制化が必要なのか、法制化するとど
う変わるのかといった話し合いを深めてきました。今回も様々な立場から、高次脳
機能障害者の現状と課題、法制化へのプロセスなどをお話くださいました。
 
 今回特に印象に残ったのが、2021年に「医療的ケア児支援法」が制定され様
々な施策に予算がついて法制化の効果を実感しているとの山本参議院議員のお話で
す。今年度47都道府県に「医療的ケア児支援センター」を設置するとして4億円
が予算化され、また、文部科学省に「医療的ケア看護職員配置事業」として40億
円が予算化されたとのこと。この話は国リハの深津玲子先生がおっしゃった「支援
法が出来ると国に専従で考えてくれる人が配置され、あらゆる施策に反映されるよ
う目配りされる」とのお話にも重なります。
 
 常々高次脳機能障害者の支援には医療、保健、福祉、教育、時には司法といった
様々な機関が横断的に関わる必要を感じてきましたので「高次脳支援法」が制定さ
れると省庁をまたいで施策を推進する横ぐしが通るというイメージが実感できまし
た。また、厚労省の小林課長からは、法律が制定されてもあくまでも地方分権で行
われるものなので、地方自治体へ働きかける必要があるとの発言がありました。法
律ができておしまいではなく、自分たちが住む自治体で今後高次脳機能障害者の施
策がどう進められていくのか、動向に注目していかなくてはとの思いを強く感じま
した。
                       コロポックル 内田 由貴子
 
   日本高次脳機能障害友の会全国大会2023
   in東京大会に参加して
 
 今回のテーマは「高次脳機能障害者支援法制定に向かって」。今までも話題に上
っていた支援法がメインテーマであり、いよいよ法律として制定に向かっている。
今まさに、その歴史的変革の中にいることが分かり感慨深く、これまでの準備に関
わられた方々に感謝申し上げます。では法律が出来ると何が変わるのでしょうか。
 
 最近施行された障害福祉関係の法律で見ると、2005年「発達障害支援法」は
発達障害を持つ者に対する援助について定めたもので、2021年「医療的ケア児
及びその家族に対する支援に関する法律」は人口呼吸器、痰(たん)吸引などの医
療的支援が必要な医療的ケア児の日常生活や社会生活を支えるための法律がありま
す。これらの法律ができたことで、国や地方自治体の責務が明確化され、それに伴
う予算が付けられ、必要な人員が配置されることになったそうです。その上その後
も継続した支援が検討され、必要であれば法律改定もされます。
 
 2001年家族会のロビー活動によって開始された、高次脳機能障害者支援モデ
ル事業から高次脳機能障害者への支援の道のりは、20年余りの期間をかけようや
く支援法の成立に向かってきたのだと思います。これから国会で立法化され、支援
の枠組みが出来上がり、それぞれの地方自治体で具体的な取り組みが開始されるこ
とになりますす。しかし、一方で高次脳機能障害者の理解が得られない現場や地域
格差など残された課題はたくさんあります。法制定によって医療や福祉、教育など
様々な現場で理解が深まり、当事者や家族が安心して生活できるような体制になる
ことを切に願っております。私たちはそれがより良いものになるように、目を光ら
せて行きたいと思います。
                        コロポックル 藪中 弘美
 
   日本高次脳機能障害友の会全国大会 報告
 
 10月1日(日)に日本高次脳機能障害友の会の全国大会が東京のJA共済ビル
カンファランスルームで開催されました。大会テーマは「高次脳機能障害者支援法
の制定に向かって」です。大会は、障害者支援分野に熱心に取り組まれている国会
議員や厚生労働省の担当課長がシンポジストとして参加する画期的なものでした。
大会の様子ですが、片岡理事長の開催挨拶の後に、友の会顧問である東京慈恵医科
大学第三病院教授の渡邊修先生の講演があり、高次脳機能障害の特性および障害が
ある方にとっての社会的障壁などについて分かりやすい説明の後に高次脳機能障害
支援法の必要性について触れられ、次のシンポジストにバトンを渡されました。
 
 大会シンポジュウムは立法府の立場の国会議員の先生、行政の立場の厚生労働省
担当課長、普及養成の立場から国立リハ顧問の先生方をお迎えして「高次脳機能障
害者支援法の制定に向かって」をテーマに実りある報告や発言が行われました。
 
 シンポジュウムでは、はじめに高次脳機能障害支援の全国拠点である国立障害者
リハビリテーションセンター顧問の深津先生より支援者養成テキストの作成と公開、
支援困難度の評価指標など高次脳能障害者支援に向けた新たな取り組み成果等につ
いて説明がありました。続いて、行政の立場である厚生労働省精神・障害保健課小
林課長より、国の高次脳機能障害者支援策の経緯と現状について説明があり,今年度
の新規事業として「高次脳機能障害及びその関連障害に対する地域支援ネットワー
ク構築促進事業」を設けて予算をつけたとの説明がありました(残念ながら実施自
治体は0です)。
 
 最後に厚生労働・障害支援分野で活躍の自民党衆議院議員の田畑裕明氏および
同じく厚生労働・障害者支援分野で活躍の公明党参議院議員の山本博司氏より、立
法化の意味や立法化により期待される効果などの話がありました。国会議員の両氏
からは、両氏も関われた令和3年に議員立法で成立した医療的ケア児支援法を例に
法制化を例による効果として社会的理解の拡大や支援への予算拡大や人的補充など
が一気に進んだことなどが報告されました。
 
 高次脳機能障害者への社会的な理解への進展と支援体制の強化は、全国の高次脳
機能障害者家族の願いです。高次脳機能障害者支援センターの設置などの実体を伴
う高次脳機能障害者支援法制定への取り組みの必要性を強く感じ取ることができた
大会でした。片岡理事長のロビー活動により高次脳機能障害者支援法は決して夢で
はなく、実現の可能性があるものと感じた参加者は多かったと思います。議員立法
では、立法の目的や正当性などが明らかで全会一致など各党の事前根回しが必要と
いわれています。発議から成立に向けては、各地の当事者団体の活動や関連する当
事者団体との連携など当事者団体および一人ひとりの当事者の法制化に向けた熱い
思いが大切になると思いました。
                        スペースナナ 生方 克之
 
  皆さんありがとうございました。南房総家族会は当日は、時間の関係もありまし
てシンポジュウムを聞くことができませんでしたが、会報をいただきシンポジュウ
ムの内容を知ることができました。今後も全国の家族会が一致団結で支援法制定に
頑張ってまいりましょう。来年の全国大会は福島県だと思います。来年またお会い
致しましょう。
 
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 2023年11月 今回、沓見作業場「輝」の中をすべてかたずけ綺麗にしまし
た。以前に綺麗にしたときは「歌声喫茶でもやらないか?」という声もあり、取り
組みをおこないましたが好評でした。そのときのお話です。
 
   2018年「うたごえ広場」


 11月17日に行われるうたごえ広場は、スマイル安房主催、南房総高次脳機能
障害家族と支援者の会後援で、障害のある人もない人も高齢者も若者も一同に会し、
解り合える地域を作る目的で取り組まれます。場所はスマイル安房の拠点となる作
業場ですが、周辺を深い緑に囲まれた自然豊かなところで、うたごえにはピッタリ
の場所です。日頃の疲れやストレスを大声で吹き飛ばしていただきたいと思います。
 3年前に、ローズマリー公園の劇場で遠藤さんと仲間の皆さんをお招きして取り
組みましたが、すばらしい歌声と会場の皆さんの歌声がひとつになり感動したこと
を思い出します。この遠藤さん、南房総丸山町出身で中央合唱団で全国を公演、現
在は千葉市在住で歌の講師として教えているそうです。沓見にあるピアノは遠藤さ
んからいただいたもので、久々に友に会うことで更にいい音色が聞けるのではない
でしょうか。


 ここで前回のうたごえのエピソードをひとつ。家族会の会員である彼は高校時代
木更津にある拓大広陵高校の野球部員でした。当時の拓大広陵は甲子園に出れば優
勝・準優勝は当たり前で、部員も150名を超え、彼はその有力メンバーの一人で
した。ですがベンチに入れるのは15名。残念ながら応援にまわっていたそうです。
でもその応援が半端ない。マウンドと応援団が一丸となって戦う迫力で、対戦相手
をことごとく撃破していったそうです。
 

 その後、社会人となり仕事も覚え順調に…という矢先の交通事故で3ヶ月意識不
明。その間、彼女もいたそうですが彼のお母さんが「息子はもうだめかも。あなた
はまだ若い。あきらめてほしい」とのことで悲しい別れもあったそうです。意識が
回復した後の医師の診断は高次脳機能障害でした。
 

 うたごえの前日、遠藤さんとの打ち合わせで「楽譜で知らない歌がひとつありま
す」と言われ、「え!どれですか?」と聞くと「栄冠は君に輝く」ということでし
た。ただ遠藤さんの仲間の方が知っていましたので「帰って練習します」。

 公演当日、セレモニーが終わり遠藤さんが舞台に立って2・3曲歌ったのち、リ
クエストはありますかと参加者に聞くと、その彼が「栄冠は君に輝く」を大声でリ
クエストしました。青春時代の思い出をいつも胸にもっている彼らしいと思いまし
たが、さて練習の成果は?
 

 さすが遠藤さん。前奏から力強い歌い出しにリクエストした彼も身体を震わせ力
いっぱい歌っていました。彼は意識回復後身体がほとんど動かなかったのですが、
毎日独自のリハビリを頑張って立って歩けるようになりました。そんな彼が全身で
歌っている姿に改めて歌の力に感動しました。
 

 ぜひ今回の「うたごえ広場」。友人・知人お誘いあわせて参加していただければ
と思っています。貴方にとってよき思い出を作ってください。


 
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   「おせち料理」

 

 今年も残すところ1ヶ月となりました。お正月と言えばおせち料理ですが、皆さ
んの家ではおせち料理を手作りしますか? スーパーでも売ってるのでそれで済ま
せる、あるいは、正月でもお店が開いてるのでおせち料理はいらない、という家庭
も多いのでは。
 

 そもそもおせちとは1月7日・3月3日・5月5日・7月7日・9月9日の5節
句の祝いの席のごちそうの事で、平安時代に宮中で出された料理だそうです。江戸
時代後期になって江戸庶民がその年の豊作や健康を願って取り入れたようです。

 食生活も様変わりし、当時はお祝い事などで出された食事も、現在では日常的に
食べられるので、「うちは毎日おせち料理だよ」なんて言う方もいるようですが、
そういう方に限って偏った食生活を送っていませんか?

 生活習慣病など怖い病気には気を付けてくださいね。脳梗塞で高次脳機能障害に
ならないよう注意してください。
 
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   「素朴な疑問」
 

  彫刻家ロダンの考える人、何を考えているのか?と思ったら、じつは何も考え
ていません。この彫刻の題が「地獄の門」だそうで、この男性が見ているのは、
地獄に堕ちていく罪人ということだそうです。それはさて置き、この男性の姿勢
ですが、私にはこの座った形ができません。右腕を左足に乗せていますが苦しく
息もできません。それを考えてしまいますが、さて貴方はできますか?・・・
 
本日もご覧いただきありがとうございました。