南房総高次脳機能障害家族と支援者の会 なんぼーこーじの毎月更新の会報です
安房の国から2018 南房会ストック10月号
南房総高次脳機能障害家族と支援者の会

 
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9月の定例会の内容
          連絡事項後、障害者雇用問題で国や地方自治体の
          水増しが行われていたことについて話をしました。
          その後、体育館に移りボッチャ体験を行いました。
 
今後の予定
 
・10月 7日(日)第5回手のひらの会 千葉リハビリテーション病院
          午後1時~3時30分
 
・10月20日(土)家族会定例会 沓見楽市座
          午後1時30分~
 
・10月19日(金)・20日(土)・21日(日) 
          脳外傷友の会全国大会 三重県四日市文化会館 
         
・11月17日(土)うたごえ広場「遠藤ひさえと仲間たち」沓見作業場
          午後1時30分~ 
 
・11月30日(金)・12月1日(土)・2日(日)
          ボッチャ全国大会 福島県福島市 国体記念体育館
 
・12月 9日(日)東葛菜の花家族会 公開講演会
          「当事者へは居場所を介護者へは支えを」 会場 アミュゼ柏
          講師 柴本 礼 氏
          パネルディスカッション
          
 
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   「うたごえ広場」
 
 11月17日に行われるうたごえ広場は、スマイル安房主催、南房総高次
脳機能障害家族と支援者の会後援で、障害のある人もない人も高齢者も若者
も一同に会し、解り合える地域を作る目的で取り組まれます。場所はスマイ
ル安房の拠点となる作業場ですが、周辺を深い緑に囲まれた自然豊かなとこ
ろで、うたごえにはピッタリの場所です。日頃の疲れやストレスを大声で吹
き飛ばしていただきたいと思います。
 
 3年前に、ローズマリー公園の劇場で遠藤さんと仲間の皆さんをお招きし
て取り組みましたが、すばらしい歌声と会場の皆さんの歌声がひとつになり
感動したことを思い出します。この遠藤さん、南房総丸山町出身で中央合唱
団で全国を公演、現在は千葉市在住で歌の講師として教えているそうです。
沓見にあるピアノは遠藤さんからいただいたもので、久々に友に会うことで
更にいい音色が聞けるのではないでしょうか。
 
 ここで前回のうたごえのエピソードをひとつ。家族会の会員である彼は高
校時代木更津にある拓大広陵高校の野球部員でした。当時の拓大広陵は甲子
園に出れば優勝・準優勝は当たり前で、部員も150名を超え、彼はその有
力メンバーの一人でした。ですがベンチに入れるのは15名。残念ながら応
援にまわっていたそうです。でもその応援が半端ない。マウンドと応援団が
一丸となって戦う迫力で、対戦相手をことごとく撃破していったそうです。
 
 その後、社会人となり仕事も覚え順調に…という矢先の交通事故で3ヶ月
意識不明。その間、彼女もいたそうですが彼のお母さんが「息子はもうだめ
かも。あなたはまだ若い。あきらめてほしい」とのことで悲しい別れもあっ
たそうです。意識が回復した後の医師の診断は高次脳機能障害でした。
 
 うたごえの前日、遠藤さんとの打ち合わせで「楽譜で知らない歌がひとつ
あります」と言われ、「え!どれですか?」と聞くと「栄冠は君に輝く」と
いうことでした。ただ遠藤さんの仲間の方が知っていましたので「帰って練
習します」。
 
 公演当日、セレモニーが終わり遠藤さんが舞台に立って2・3曲歌ったの
ち、リクエストはありますかと参加者に聞くと、その彼が「栄冠は君に輝く」
を大声でリクエストしました。青春時代の思い出をいつも胸にもっている彼
らしいと思いましたが、さて練習の成果は?
 
 さすが遠藤さん。前奏から力強い歌い出しにリクエストした彼も身体を震
わせ力いっぱい歌っていました。彼は意識回復後身体がほとんど動かなかっ
たのですが、毎日独自のリハビリを頑張って立って歩けるようになりました。
そんな彼が全身で歌っている姿に改めて歌の力に感動しました。
 
 ぜひ今回の「うたごえ広場」。友人・知人お誘いあわせて参加していただ
ければと思っています。貴方にとってよき思い出を作ってください。
 
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   日本酪農発祥の地「酪農の里」
 
 今年は明治になってから150年目にあたり、各地で記念の取り組みが行
われています。日本各地にある歴史的建造物や伝記を考えると、やはり神社
仏閣が思いつきますが、それらを除くとかなり絞られます。この安房地域の
歴史を考えるとやはり酪農の里が思いつきます。先日酪農の里で150年を
振り返る展示会がありました。
 
 酪農の里は八代将軍吉宗公が作ったとして知られていますが、じつはそれ
より更にさかのぼると戦国武将里見に行きつきます。10代170年にわた
って安房を支配した里見氏が、軍馬を育成するために作ったのが「嶺岡牧」
(みねおかぼく)です。徳川幕府は、慶長19年(1614)里見の領地を
没収し幕府直轄の牧としました。徳川幕府も嶺岡牧に馬を飼育し、多いとき
は700頭もいたとの記録が残っています。
 
 その後、文武の奨励と産業振興に努めた八代将軍吉宗は、江戸時代の中ご
ろ(享保13年=1728)インド産の白牛を3頭輸入し、嶺岡牧で飼育し
ました。この時始まった「酪農」が現在の酪農や乳業へとつながっていった
ので、千葉県が日本酪農の発祥の地といわれています。
 
 それから幕末をへて、明治新政府によって全国に県が置かれます。明治6
年(1875)6月15日に現在の千葉県が誕生。民間の会社や千葉県が土
地の管理に当たり、明治44年、現在の嶺岡乳牛研究所の広さのみを千葉県
が管理するようになり現在にいたります。
 
 現在の建物や周りの景観は20年前に整備されたそうで、食事やおいしい
牛乳なども食する事ができます。行ったときは白牛もいて、普通によく見る
牛よりもかわいい顔をしていました。秋の天気のいい日はソフトクリームで
も食べながら、川のほとりでゆっくり1日を過ごしてはいかがでしょうか。
明治から現在までの150年間に思いを寄せてみるのもいいかもしれません。
 
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   「法人名称変更のお知らせ」
              NPO活動法人
              いわて高次脳機能障害友の会イーハートーヴ
              代表 掘間 幸子 会員・役員一同
 
 虫の声も一段と冴えわたり、皆様におかれましては、ご健勝の事とお喜び
申し上げます。平素は当法人活動に格別の高配を賜り、厚く御礼申し上げま
す。
 
 さて、この度私達の上部団体である「日本脳外傷友の会」が高次脳機能障
害をより広く普及啓発を行う為「日本高次脳機能障害友の会」と改名いたし
ました。それに伴い当法人も「いわて脳外傷友の会イーハトーヴ」から「い
わて高次脳機能障害友の会イーハトーヴ」と改名し登記を完了致しました。
 
 当面、新旧の名称で混乱やご迷惑お掛けする事もあろうかと存じますが、
これを機に、更に力を合わせ高次脳機能障害者への支援普及や地域生活支援
等の活動に邁進して参る所存です。どうぞ今後も変わらぬご指導ご鞭撻をお
願い申し上げつつお知らせと致します。
 
 末筆となりましたが、皆様のご健勝と益々のご発展をお祈り申し上げます」
 
                        平成30年9月吉日
 
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   「スマイル安房 災害復旧・復興支援終了について」
 
 西日本を中心に降り続いた今回の記録的な大雨ですが、台風7号が九州に接
近した7月3日以降、10月9日午後1時現在、13府県で約200人が死亡し
ました。数十年に一度の重大な災害が予想される場合に出す「大雨特別警報」
が、7月6日から8日にかけて福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取、京都、
兵庫、岐阜、愛媛、高知の11府県に出されました。
 
 8日までにすべて解除されましたが、2013年に特別警報の運用が始まっ
て以降、ひとつの災害で4都道府県以上に出されたのは初めてでした。スマイ
ル安房では、今回の豪雨災害で各県の被害状況と復旧・復興の状況を確認。
とくに広島・岡山・愛媛の3県の被害が甚大ですが、広島・岡山についてはボ
ランティアや災害支援の手が速く、愛媛までは支援の手が届いていないという
現状でした。
 
 そこで、スマイル安房として、8月・9月にご寄付10万円をお願いするも、
「支援の手は待ったなし」ということで、先行してみかんの産地JA愛媛に義
援金10万円を送りました。その後イベントの雑貨販売等で皆さんのご理解と
ご協力をいただき、9月30日までに10万円集めることができました。南房
総の皆さんから愛媛の皆さんに、わずかですが復興に役立てていただければ幸
いです。
 
 今後も日本各地で起こる災害に対して、南房総から支援できるよう準備して
いければと思っています。ありがとうございました。
 
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  「今月の貴方に贈る言葉」

      「元気になるいちばんの方法は
          他の誰かを 元気づけてあげることだよ」
 
                 マーク・トゥエイン(アメリカの小説家)

  
 今月もご覧いただき ありがとうございました  
問い合わせ 南房会 ishiguro.hiroaki@beige.plala.or.jp